板野一郎氏の1stガンダムについての過去の発言をちょっとだけサルベージ。

古い荷物をゴソゴソしていたらVHSが発掘されたので
サルベージしてみました。


05年の8月にNHKBSで放送された、
アニメ夜話の特別企画「まるごとガンダム」です。


で、個人的にと崇めている板野一郎氏が
出演されてたので、面白そうな発言をピックアップして文字起こししてみました。
ほんとは動画のほうがわかりやすいんでしょうけど、
NHKの動画を上げると夜中に見知らぬ方の訪問を受けそう
なのでやめときます*1

ファーストガンダム放送当時の様子について

板野 富野さんが、スポンサーとか、色んなところから
電話で怒られてるんですよ。絵本が売れないと。
売れっこないんですよ、強いぞガンダム、ぼくらのガンダム
がんばれガンダムって、3〜5歳用の絵本が・・
岡田 絵本、買いましたよ、シャアのザクが遊園地を襲ってくるやつでしょ(笑)。 
板野 あんなもの、オンエアを見てる人が、リアリティを追及して、
かっこいいな、この戦争アニメーション(略)と思ってるのに、
おもちゃと本が、(略)視聴者と全然ターゲットが合ってなくて、
ピントが合ってなくて、大学のファンクラブとかが、それを
泣きながら買ってくれるんですよね。
おもちゃも本も。ガンダムを終わらせてたまるかって、
応援してくれるんですけど、やっぱり力及ばずっていうか。 
江川 富野さん的には、どこまでちっちゃい子をターゲットにしてたんですか。
板野 してない、全くしてない。(一同笑) 
江川 売れるわけないじゃないですか(笑)。
板野 それで、マスターベーションだとか、何様だとか、
子供のアニメーションなのに、ふざけんなとか
(富野監督が)怒られてたんですよ。
それで、(監督が)どんどんハゲていくんですよね(笑)。

スポンサー側の要求について

板野 最初、4話ぐらい(敵役が)ザクなんですよ。 
江川 ずーっとザクですよね。 
板野 それが、スポンサーが、おもちゃが売れないのは、
やられメカが毎回同じだからだと。ザクってのは弱いぞと。弱すぎると。
それで、ガンダムが毎回違うやられメカをやっつけるから、
強く見えて子供におもちゃが売れるんだと。
それで、わけのわかんないの(MS)が出てくる。(一同笑) 

自らが作画したエルメスとの戦いのシーンについて

板野 工夫っていうか、富野さんの演出があって、
安彦さんの芝居のうまさがあって、その中で・・
ニュータイプだから、先読みして、そういったところを表すために、
わざとスローモーションでこう、銃身が少しずれて、
ビットがスローモーションになって、パッ、パッ、って行ったところに、
先にビームが行って、ビットが後から来て、爆発する。 
江川 そこ、秀逸でしたよね。 




いかがでしょうか。
まあ、1stガンダムの逸話や伝説はいまや色々な書籍で語られていて、
あげくのはてにガンダム漫画に若き日の板野さんが登場しちゃったりして、
当時の新人アニメーターのちょっとしたエピソードまで引っ張り出すとは
大人のすることか!って言いたくなる でもそれを大喜びで読んでたりする
域に達してるので、
ここで板野氏が語られたこともあんま新鮮味がないかなーとは思うんですけど、
現場の方も当時から高年齢のファンの動きを知っておられたってこととか、
スポンサーと折衝をする富野監督の姿とか、
板野氏自らがファーストガンダムでの担当箇所について語られることは珍しいんじゃないかとか、
まあそれなりに面白い内容だと思いますよ。


あとなによりハゲ発言。
富野監督の頭頂部の原因はこのときのストレスだったのかっ・・!
いや、番組中で板野氏が「それが原因かどうかはわかりません(笑)」
って言ってたので
本気にしてリツイートとかしないでくださいね。

*1:まあこの文字起こしも問題ありそうなんですけど。