ガルガンティアと似てるアニメについて考えてたら古典的作劇法にたどりついたでござるの巻


おお、珍しく漫画原作とかじゃないアニメを楽しめている!
とかアニメを見ることそれ自体よりも
それを見てるオタクな自分を保守できていることに喜んでいる
ブログ主ですこんにちは。


いや、冗談はさておき、ガルガンティアが普通におもしろいので
色々語りたくなっております。
今回のとっかかりはオトナアニメvol.29です。

オトナアニメ Vol.29 (洋泉社MOOK)

オトナアニメ Vol.29 (洋泉社MOOK)

この本に監督さんのインタビューが載ってるんですが、
ガルガンティアはいろんな人に(いい意味で)
『○○というアニメに似ている』と言われる」
ということをおっしゃってました。
自分が昔見て好きだったアニメを思い出させるような
楽しさが、ガルガンティアにはあると言ってもらえて嬉しいとのこと。


いやこれまさにぼくが感じてたことそのまんまなんで、
誰しも抱く感想は同じだなあと自分の凡夫っぷり
ちょっとイヤになったりしましたが、
この
「いい意味で既存のアニメに似ている」
という視点で考えてみたところ、
エンタメの普遍的楽しみポイント≒古典的作劇手法
みたいなのに行き着いたので書いてみます。
なお、注意していただきたいのは、皆さんが読んでいるのは
具体的にそういう物語(あるいは世界観)づくりが
手法として広く認められているかとかそういう裏取りは
一切してない毎度のクソブログですよという事。
富野監督に言わせたら
このブログを読んではいけません!!って感じだと思います。

既存のアニメと似てるところ=普遍的楽しみ


タイトルのガルガンティアとは巨大な都市船団の名前ですが、
この寄せ集め都市のビジュアルは個人的にキングゲイナーのドームポリスを思い出しました。
ドームポリスの画像がありません、スイマセン
で、こういう寄せ集め都市のカオスなビジュアルってのはスチームパンクに源流があるのかなと。

しつこいですが裏取ってません。
普遍その1:心地よいゴチャ感ですね。


ちなみにガルガンティアのゴチャ感はマニアックに走ることなく、
ストーリーを邪魔しない適度な塩梅だと思います。
例えて言うと「一昔前の日本製RPGくらいの薄いスチーム感*1」。
すいません微妙ですね。



ワイヤーで保持されてる凧型メカなんかはラピュタですかね。
あとはユンボロイドの作業用機能(まだあんまり出てませんが)、
海賊の女王様のユニークユンボロイド(他にも出てくるのか期待)などなど。
こういう近代程度のメカでギミックの楽しさを見せるっていうのも普遍だと思います。

普遍その2。


あとは
サルベージ商売、前文明の残存技術の再利用、水没惑星などのSFギミック。

これらはアニメでも大変広く使われてるので新鮮味は少ないですが、
これら一つ一つをウリにしてるというよりは、やはりいい塩梅の存在感で
ストーリーを邪魔せず、かつそのストーリーが面白いというのが素晴らしいかと。
このギミックが普遍3


そんなSF的ギミックの中でも
異文明の視点によるありふれた常識の再確認、再発見、新鮮な名付け
というネタが使われてますが、これはかなりアニメでは希少じゃないでしょうか。
毎度ぼくの狭い観測範囲での話なのでアレですが。



生物の死骸。特使。などなど翻訳のさいにチェインバーの発する言葉の一つ一つが
いい塩梅に(こればっか)ズレていて滑稽味があります。
ズレとは喜劇の基本。
ガルガンティアを論ずるときによく、漫画「ヒストリエ」の名言
「文化が違う!」が使われてますが、
文化が違う事それ自体よりは、チェインバーさんのズレた翻訳でオトしてる感じですね。
言語に違いがあることをなし崩しに終わらせるのでなく、
あくまでもチェインバーの翻訳を通すことを徹底*2し、
主人公の言語習得までひとつのドラマにしてるのも好感持てます。


この翻訳ネタは笑いだけじゃなく、相手が何を言いたいか推し量っている感覚、
外人さんとのコミュニケーションを疑似的にやってるような楽しみもありますね。

異文化コミュニケーションで普遍4。


しかし、これら普遍的作劇法?をただくっつけただけでは
エンタメは作れない・・と思います。
富野監督(のせいにしているわけではありませんw)がよく言っておられる「今、この作品を作る意味」みたいなやつです。
仮に「当世力(当世風、今風を感じさせる力)」とします。

当世力を担う核

ガルガンティアでいう
当世力を担うポイントというのは、
チェインバースマホではないかと。



オトナアニメのインタビューにて、チェインバースマホをイメージした」
と語られています。


チェインバーと主人公との関係を普遍手法に当てはめると、
人工知能とのバディものみたいな感じかと。
このような人工知能(ロボット)との共存*3
ネタは古典的ではありますが、
チェインバーさんの万能感、スマホに似た感覚は確かに新しいと思います。



チェインバースマホさながらの翻訳、地図、提案などで
主人公を無機質に、しかし献身的にサポートしてくれるさまは、
バディというよりは執事、よきブレイン、忠実な部下みたいな感じですかね。
堂々巡りですが、やはりスマホっぽい」という表現に戻ってしまいます。


既存の相棒ものに登場するAIたちよりも、(舞台が未開文明なのも相まって)
なんでもできる万能AIという印象が強く、
さらにインタビューの言葉を借りるなら、
未開の見知らぬ土地で、唯一頼りにできる存在として、この
スマホ感」が生み出されてるんでしょう。


この感覚は新しいと思います。
ここが新鮮味の源であり、「当世力の核」ではないかと。
スマホがいいとか悪いとかの話でなく、
「今、こういうことってあるよなあ」と思わせることが、
エンタメを新鮮に楽しませる技、なのかもしれません。
あんまり現実とのリンクを露骨に出しすぎると、
エセ社会派アニメ、とかゆって叩かれちゃったりもしますが・・ゴニョゴニョ。


と、いうわけでガルガンティア
普遍的・古典的技法のコンビネーションに今風のスパイスを適度に乗せた、
まことにいい塩梅(今回こればっか)なアニメだという結論に至りました。


・・なんか明日から「塩梅くん」っていうあだ名がクラスに広まりそうで怖いです。

*1:ゼノギアスとか、ワイルドアームズとかバンピートロットとか・・

*2:この意見はツイッターのフォロワーさんから無断拝借しました、スイマセン

*3:海外でいえばロボットとの対決のほうがポピュラーかも

TVジョジョ第2部オープニング映像から作画ネタをほじくり出す


プリキュア3DCG記事のヒットに調子をぶっこいて
TV版ジョジョの第2オープニングの3DCGネタで
またしてもアクセスを稼いでやろうという
実に汚い魂胆で書き始めたこの記事でしたが、
ジョジョの第2OPは
そんなゲロ以下の臭いのする欲望
消し去ってしまうほどの
熱い心意気高いクオリティを備えていました。


スマイルプリキュアのエンディングダンスから作画ネタをほじくり出す - 批評家もまた批評さる
ちゃっかり宣伝
プリキュアのEDダンス変遷の陰にあるアニメ会社のCG表現への飽くなき探求 - GIGAZINE
ちなみによそではこんな記事も出てました。↑


素晴らしい映像作品に心洗われて
賢者モードになったところで、
具体的にどこが熱くてどこが高クオリティなのか語っていきたいと思います。

ほとばしる名作リスペクト

まあこのオープニング映像では実に色んなところでぶったまげたのですが、
座布団から垂直に飛び上がって死にそうなほど驚いたのがこのカット。



はい、プリキュアのときも言ってましたが言わせてください。
「これ、手描きじゃねーのかよ!?」


CGの技術については筆者はサッパリですので
スト4のムービーみたく、CGモデルの輪郭の全体に
手書き風のエフェクトが出るよう設定してあるんだろうなー、
とかなんとか想像するしかありません。
代わりにこのような映像を作ったスタッフさん方の意図について語りたいと思います。


筆者がこの鬼エフェクトの神砂嵐を見て
思い出したのはコンバトラーVの超電磁スピンだったんですが、
まさにこの手描きの効果線風なエフェクトは、
70年代アニメの荒々しいタッチ強烈にリスペクトしたものだろうと思われます。

くっ!画像検索力がたりない!


まあ、そのような70年代アニメをリスペクトして作られた
より以後のアニメでも作画のタッチを生かした演出は連綿と受け継がれてますんで、
そちらへのリスペクトという可能性もあります。


知ってる範囲で並べてみました(小学生)


荒々しい線の表現の他にもリスペクト感がにじみ出てます。
例えばこれ。

静止画だとわけがわかりませんが、柱の男たちの身体が
うねるように画面の中を動き回って度肝を抜くカットです。
これを見て思い出したのはこのへん。

なんだか怪しい画像ですが許してください。
金田伊功氏の作画による、亡霊のオーラがうねりまくるカットです。
これらを似たものとして
「金田作画リスペクト!」とか言うつもりはありませんが*1
極端なディフォルメや物体の変型をいとわずかっこよさを追求する
ジャパニーズ手描きアニメの姿勢へのリスペクトは確実にあると思いますよ。



金田系作画との共通点は物体の変型以外にもいろいろあります。

冒頭に貼ったカーズ様の輝彩滑刀が放つ金田光はわかりやすい意匠ですが、
手描きアニメでも相当浸透して半ば常識化してきたので、特筆するほどではないかもしれません。




左はパンチ、右はキックの瞬間。
動きの合間に大胆なディフォルメや、一見するとつながりの悪そうな絵
一枚ポンと入れておくあたりも金田系っぽいかと。

このスパッタリング風のカットなんかは完全に平面という感じで
3DCGでやる意味あんのかな?(笑)とか言いたくなりますが、
この一瞬があることで見事に迫力が生まれてますので黙っときます。

こっちは本家金田。
人物がムチをふるった瞬間、でっかいエフェクトが一瞬だけ現れます。


さらに細かい話をすると、
画面切り替えの表現にも金田(というか山下将仁氏?)系なエフェクトが。


画面をまっすぐな線で区切らずに、あえてザクザクっと切れ目のようなものを
入れたり、丸っこく変形させたりしてるんですよね。
画面切り替えではないんですけど、こういう描き方は金田(山下)系の
エフェクトでよくあるかなーと。


まとめると、一見してわかる意匠、一瞬だけで目立たないけど
地味に効果を上げてる意匠など、はしばしに金田・山下系のマインドが見て取れる*2
ということだと思います。

理解不能に陥る密度感


ちょっと蛇足ですが、
人物が変形し、手描き風の効果線がつき、CG風の煙エフェクトが加えられ、
ところどころにスパッタリング風の効果が入り・・
トンデモナイ画面の密度になっている三人の柱の男の
必殺技のカット。
これを見て個人的に思い出したのは
森久司氏が手掛けたグレンラガンの合体シーンでした。


まあこちらは金田作画とは違って
共通点もクソもないのですが、グレンラガンの合体シーンでも
珍しい処理の光の嵐や、筆で描いたように荒々しく飛び出る手足、*3
手描きのタッチを残しつつ画面に巻き起こる細い竜巻状のエフェクトなど
新しいアイデアがいくつも渦を巻いていて、
「一体何が起こってるんだ!?」と理解不能に陥らせる密度感
ジョジョの第2OPと共通してるなーと思うのですよね。


そして、この密度感から溢れる「すげーもん見せてやるぜ!」という情熱が、
筆者の浅はかな欲望を完全にぶちのめしたのでした。

お遊びまで含めてハイテンション

おまけとして、こんな検証画像もありました。
ジョジョOPコマ送りして見たらスタッフ結構遊んでた
とくに80年代のアニメに多いイメージなんですけど、
コマ送りしないとわからないくらいの一瞬のカットに
スタッフさんの隠しメッセージとかぼやきが書かれてるアレが
ジョジョにもあったわけです。

拡大してよーく見てみてください


最近のアニメはぜんぜん見てない怠惰な筆者ですので
今でもこういうお遊び文化が生き残ってるかはわかりませんが、
もうかなり珍しいのではないでしょうか。
このようなお遊びからも、情熱を注ぎまくって楽しみながら作ってる感じが
伝わり、実にアツいです。燃え尽きそうです。

まとめ

当初は3DCGと手描きアニメを比較して理屈をこねようとか考えていましたが、
そういう低次元な考えをぶっ飛ばすほどに
ジョジョの第2オープニング映像はエンタメ性に溢れてました。


ただ、このオープニングでやっていることは
すべて手描きでも代替できてしまうんじゃないか?とかいうことも気にかかります。
3DCGの技術力を追及して海外と競り合って・・というタテマエもありますが、
やはり「3DCGでこそできて、手描きでは決してできなくて、かつ超カッコイイ映像」が出てこないと
視聴者としてはもろ手を挙げて喜べないかなー・・と。


実はそういうシーンがジョジョのオープニングにすでに存在していて
筆者が気づいてないだけかもしれないのですが。
とりあえず、柱の男の必殺技ラッシュのエフェクト重ねまくった画面密度と、
手描きアニメのハーモニー効果なんかとはまた違ったディテールをまといながら
絵柄、服の細部、デッサン的タッチ等々を崩すことなく動き回るジョセフとシーザーなんかは
「3DCGでこそできる(手描きだと不可能じゃないけど苦しい)映像」
なのかなーと思いました。
おわり。

*1:前述の通り、リスペクトが再リスペクトを次々生んでるのでそういう言い方はもうできないのかなーと

*2:スタッフさんが意識してたかはわかりません。笑

*3:この表現は昔とある作画オタク様が使っておられたもののパクリです

エヴァQの重箱の隅をつついて楽しさを見出すポジティブキャンペーン

はじめに。
本記事はエヴァQの強烈なネタバレを含みますのでご注意ください。














さて、世間では
エヴァだとか新劇場版ナディアだとか
アゴだとか散々なことを言われているエヴァQですが、
筆者もご多分に漏れず
微妙な表情で劇場から出てきた一人です。

入る劇場を間違えたかと思ったよママン


「破」とは打って変わっての鬱展開と作劇上の矛盾の嵐
巷ではなんとか説明をつけようと有志の方々ががんばっていらっしゃいます。


しかし皆さん。庵野カントクのこの発言を思い出してください。

神崎のナナメ読み: 庵野秀明 in トップランナー【3】
庵野「当時は、そうじゃないですかね。僕自身、哲学を知らない
んですよ。あまり哲学的なことはやっていない、今までも。
エヴァはそういう風に云われてますけれど、
あれは哲学じゃなく"衒学的(げんがくてき)"なんですね

庵野「よく知らないけれど、こういう言葉を使っていれば
賢そうに見えると云う・・・(観客の薄ら笑い)。
それがエヴァですね。(後略)

ぼくはこの発言を思い出すたびに
はげしく脱力します。
とにかく、庵野カントクからこのようなお達しが出てるわけですから
エヴァに関して、設定やキャラの発言の細部を
検証することはあまり意味がないと言わざるを得ません。


しかし、今回Qに関して大騒ぎになっているのにはもうちょっと
別な理由があって、それは
「何か理由があるのではないかと思わせるほど本筋がつまんない」
ってこともあると思うんですよね。

エンタメ要素にキレがない

今まで
実写風のヒューマンドラマとか、
東宝怪獣に対して超科学作戦で人類が迎え撃つシーンのアニメ版とか
文句なしにかっこいいメカとかわいいキャラ
あと
ウルトラマンのパクリとかで
本筋を手堅く固めつつ、サイドメニューとして謎要素や
不可解な設定が用意されてきたのだと思いますが、
今回の本筋要素は、
完成度80%で現れたような微妙感をかもし出しています。
腐ってやがるとは言いませんが、
皮だけ生成されなかったような違和感。

皮がないと痛いんだよー


これはまったくの推測ですが、
東日本大震災の後、脚本を書きなおした」
という噂が流れてきていることから考えて、
「破」以上に遅れた段階でストーリーを作り直した*1ために
制作スケジュールがひっ迫したのではないでしょうか・・?
その結果、
メカデザイン、戦闘アイデア、演出のそれぞれを
練りこむ時間も十分とれず、それがこの本筋の「微妙感」
につながってるのではないかと・・。

やっとつっつく

はい、いつ重箱の隅をつつくんだよ
という感じですね。ここからつっついていきます。


エンタメ要素が微妙なあまり、「明るいイデオン
ならぬ「明るいエヴァQ」予想外に語呂がいい
としてキャンペーンを打たないとやってられませんのでがんばります。


まずヴンダーです。
この名前、どうにかならなかったのでしょうか。
衝撃のあまり、「ヴィンダー」とか「ヴァンダー」というように
多少なりともかっこいい響きに脳内補完するファンが続出しているほどです。
デザイン面でも、ダサカッコイイメカが好きな筆者も
「それはねーだろ!」と椅子から飛び上がって空母に着艦しそう
になった強烈なデザインです。
3DCGの強みを生かして、アニメーターさんにお願いしたら
死人が一人や二人じゃすまないディテールを誇っていますが、
全体的にみるとゴテゴテしててイマイチ。ただ、重箱の隅としては
吹っ切れたかのようにそびえ立つ三基のパラボラアンテナがポイント高い*2です。
この異次元感というかアンバランス感は
昭和後期ウルトラメカを思い出させます。

まあ自分で考えたんじゃなくて
庵野カントクが最近タロウの素晴らしさについて語ってたことが多かったからなんですが*3
「今回は後期ウルトラデザインで行こうぜ!」
って話があったんじゃないかなあ。
不必要なまでのボリューム感、ゴージャス感が近いように思えます。


ほら、だんだんエヴァQメカに違和感がなくなってきたでしょ?



ヴンダーの後部先端には、グレーと黄色のカラーリングの
摩訶不思議なパーツがくっついていますが、
これはウルトラメカか、マイティジャック号を模したようにも見えてちょっと笑えます。


そして新エヴァの数々。
とくに8号機の頭部に顕著ですが、ここでも
ZATラインが出てます。
庵野カントクが言うところの「甘美な曲線(?)」(記憶があいまいです、すいません)
というやつです。
エヴァMark.9のマント状ブースターの独特な形状もこれだと思います。
あとエヴァ13号機。
「パーツを二倍にすればいいってもんじゃ(略」とぶつぶつ言いたくなりますが、
このへんの「パーツが二倍だからパワーも二倍」的な安易さも
古き良き特撮をオマージュしたのでは・・って、すいません、
強引すぎましたね。

さらに細かいネタ

細かいネタですが、ヴンダー浮上時の戦闘で出た
「飽和攻撃」という単語はヤマト完結編にもあるようです。
オマージュかな?


リツコさんがミサトさんに危機的状況についてまくし立てる
のはもはやお家芸と化してますが、
今回「さらに」「おまけに」という既知のテクニックに加えて
「とどめに」という新技が出てきて笑いました。


ナディアネタについては、
公開前に予告映像に映ったエクセリヲン風の宇宙船を見て、
「今回はナディアネタが来るんじゃねーか?」とか笑いながら
語っていた頃が懐かしいです。
まさか巨大戦艦の登場とBGMの再使用とは。
剛速球の直球ど真ん中で、受け取る側としては
吹っ飛んだ上にフェンスにめり込みそうです。


あと、冒頭6分の戦闘は素晴らしかったですね。
劇場版はTVオンエア版と微妙に違いがありますし、
大音響であのシーンを楽しめるというのは価値のあることだと思います。
まさかあのシーンが映画の中で最高のクライマックス
だとは思いませんでしたが。

まとめ

まあそういうわけで
明るいエヴァQキャンペーンを試しに始めてみたわけですが、
一人でやってるとすごくつらいです。オラに元気を分けてくれ!って感じです。


つらく険しい道のりですが、次回作の公開まで
明るいエヴァQキャンペーンは細々と続けたいと思いますのでよろしくお願いします。

*1:「破」の記録全集にも、制作がかなり進んでから方向転換したことが書いてあります

*2:まあイージス艦とか現用兵器にもゴテゴテとパラボラアンテナがついてたりしますけど・・でもアニメメカでこのデザインはやっぱり異形ですよ!

*3:特撮博物館内の展示、円谷特撮の企画DVDコメントなど各所で語られてたように思います

板野一郎氏の1stガンダムについての過去の発言をちょっとだけサルベージ。

古い荷物をゴソゴソしていたらVHSが発掘されたので
サルベージしてみました。


05年の8月にNHKBSで放送された、
アニメ夜話の特別企画「まるごとガンダム」です。


で、個人的にと崇めている板野一郎氏が
出演されてたので、面白そうな発言をピックアップして文字起こししてみました。
ほんとは動画のほうがわかりやすいんでしょうけど、
NHKの動画を上げると夜中に見知らぬ方の訪問を受けそう
なのでやめときます*1

ファーストガンダム放送当時の様子について

板野 富野さんが、スポンサーとか、色んなところから
電話で怒られてるんですよ。絵本が売れないと。
売れっこないんですよ、強いぞガンダム、ぼくらのガンダム
がんばれガンダムって、3〜5歳用の絵本が・・
岡田 絵本、買いましたよ、シャアのザクが遊園地を襲ってくるやつでしょ(笑)。 
板野 あんなもの、オンエアを見てる人が、リアリティを追及して、
かっこいいな、この戦争アニメーション(略)と思ってるのに、
おもちゃと本が、(略)視聴者と全然ターゲットが合ってなくて、
ピントが合ってなくて、大学のファンクラブとかが、それを
泣きながら買ってくれるんですよね。
おもちゃも本も。ガンダムを終わらせてたまるかって、
応援してくれるんですけど、やっぱり力及ばずっていうか。 
江川 富野さん的には、どこまでちっちゃい子をターゲットにしてたんですか。
板野 してない、全くしてない。(一同笑) 
江川 売れるわけないじゃないですか(笑)。
板野 それで、マスターベーションだとか、何様だとか、
子供のアニメーションなのに、ふざけんなとか
(富野監督が)怒られてたんですよ。
それで、(監督が)どんどんハゲていくんですよね(笑)。

スポンサー側の要求について

板野 最初、4話ぐらい(敵役が)ザクなんですよ。 
江川 ずーっとザクですよね。 
板野 それが、スポンサーが、おもちゃが売れないのは、
やられメカが毎回同じだからだと。ザクってのは弱いぞと。弱すぎると。
それで、ガンダムが毎回違うやられメカをやっつけるから、
強く見えて子供におもちゃが売れるんだと。
それで、わけのわかんないの(MS)が出てくる。(一同笑) 

自らが作画したエルメスとの戦いのシーンについて

板野 工夫っていうか、富野さんの演出があって、
安彦さんの芝居のうまさがあって、その中で・・
ニュータイプだから、先読みして、そういったところを表すために、
わざとスローモーションでこう、銃身が少しずれて、
ビットがスローモーションになって、パッ、パッ、って行ったところに、
先にビームが行って、ビットが後から来て、爆発する。 
江川 そこ、秀逸でしたよね。 




いかがでしょうか。
まあ、1stガンダムの逸話や伝説はいまや色々な書籍で語られていて、
あげくのはてにガンダム漫画に若き日の板野さんが登場しちゃったりして、
当時の新人アニメーターのちょっとしたエピソードまで引っ張り出すとは
大人のすることか!って言いたくなる でもそれを大喜びで読んでたりする
域に達してるので、
ここで板野氏が語られたこともあんま新鮮味がないかなーとは思うんですけど、
現場の方も当時から高年齢のファンの動きを知っておられたってこととか、
スポンサーと折衝をする富野監督の姿とか、
板野氏自らがファーストガンダムでの担当箇所について語られることは珍しいんじゃないかとか、
まあそれなりに面白い内容だと思いますよ。


あとなによりハゲ発言。
富野監督の頭頂部の原因はこのときのストレスだったのかっ・・!
いや、番組中で板野氏が「それが原因かどうかはわかりません(笑)」
って言ってたので
本気にしてリツイートとかしないでくださいね。

*1:まあこの文字起こしも問題ありそうなんですけど。

おおかみこどもと宮崎駿を無理矢理コジツケてみた


はい、「おおかみこどもの雨と雪」を見たので、
この勢いに乗ってまた
妄想を語っていこうと思います。


みなさん、「おおかみこども」のスタッフロールをよくご覧ください。
「原作・脚本・監督 細田守*1とありますよね?
この表記、どっかで見たことあると思いませんか?


・・そうです宮崎駿御大です。


これこそが、ついに我らのマモたん
ほぼ完全な自身のオリジナル映画を作り、
宮崎駿御大と同格にのし上がったという紛れもない証左なのです。


日テレの回し者かオメーはと思ったみなさん、
いや、まさにそれこそが今回の本題なのです。


このままだと何が何だかわからないと思うので、順番にご説明します。

両者に共通のテレビプッシュ


いまや日テレを初めとして、マスコミの報道では
宮崎駿の真の後継者・細田守
というような持ち上げ方が定番になっています。


とくに日テレでは細田アニメを繰り返し放送することが
恒例化しつつあり、ブログ主も
「こんなに持ち上げるなら見てみるかあ!サマウォも面白かったしな!」
と、見事にステマならぬガチマの餌食になっているわけです。


まあ、日テレ様の思惑は置いといて、
「繰り返しテレビで放送されることで人気が高まる」
という現象は、まさに宮崎アニメと共通のものです。

公開当時は『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』といった
SF作品全盛期だったが、テレビでの放映が繰り返され、地方の学校や集会所、
ファンの集まりなどでフイルムが借り出されて上映会が開催され、1981年には
アニメージュ誌が宮崎の特集を組んで取り上げた。
ルパン三世 カリオストロの城 - Wikipedia

カリオストロの城」が金ローで何度も何度も何度も何度も
ウンザリするほど放送されたおかげで、宮崎駿氏の知名度が高まり、
結果、後続作品の人気につながったことは有名な話ですが、
これが細田アニメでも起ころうとしているわけです。

宮崎駿VS細田守

そういうわけで、
日頃から関連付けられている
宮崎アニメと細田アニメを比べてみたら面白いんじゃねえか?
というようなまことに安易、十番煎じ、
アニメライター様噴飯必至の妄想が
今回の主題というわけです。


石が何発か飛んできそうですが続けます。
比較基準はおもに年齢です。


今回の「おおかみこども」封切り時点で、細田氏は44才*2
同じく44才のとき宮崎氏が何をしていたかというと、
年表的には1985年ですので
ナウシカ封切りの翌年でありラピュタの封切り前年です。


ちょっとここは大人の都合で宮崎氏の44才時点での作品を
ナウシカラピュタに統合して考えることとします。


さて、この考え方を基点にすると、
両者の同年齢時点での作品
「おおかみこども」と「ナウシカラピュタ」は、
どちらも自身の初のオリジナル作品ということで符合します。


なんかMMRみたいになってきましたが続けます。

44才時点からさかのぼり、両者の前作を見てみると、
それぞれ「サマーウォーズ」と「カリオストロの城」に突き当たります。


まあ、サマーウォーズが次作との間3年、カリ城が5年ですので
年齢比較は早くも大崩壊したわけなんですけど、
ここでもちょっと符号が。


どちらも「自身がかつて手掛けた原作つきアニメのやり直し作品」
なんですよね。


え?サマウォに原作なんてあんの?と疑問に思った方、
ときどきでいいからぼくらのウォーゲーム!のことも思い出してあげてください。

諸説あるとは思いますが、仮に「サマーウォーズ」を、
ぼくらのウォーゲーム!」が下敷きとされたやり直し作品とします。
で、「カリ城」も同じくやり直し作品なわけです。

宮崎本人は自著『出発点』で、「この作品はルパン1stシリーズや、
東映時代にやってきたことの大棚ざらえで、だから昔からぼくの
仕事を見てた人は失望したというのはよくわかるんです。…(後略)」
と語っている。
(同じくwikipediaカリオストロの城」項より)

で、今後の予想

そんなわけで
サマーウォーズ」と「おおかみこども」については
宮崎アニメとの符号が見られたわけですが、
真ん中と前が合ってるなら後ろも合ってるだろ
というまたしても安易な論理で考えますと、
宮崎氏は44才時から時を経た後年、47才時点
あの名作となりのトトロを発表します。


おっ、なら細田氏も3年後にとうとう大ヒット作を生み出すのか
と思われた貴方、
いや違うんです、
この3年後の作品もまだヒットとはならないと予言したいのです。


以下トトロの興行成績について。

配給収入が5.9億円と公開当時は振るわず、
興行的には外れてしまう(この失敗のおかげで資金回収のために
魔女の宅急便』が製作されることになった)。
(同じくwikipediaより)

また、ラピュタも内容に対する評判は上々なるも、
興行成績的にはふるわなかったといいます。
この事実からして、「おおかみこども」も数年後に発表されるであろう
次作品も、認知度的には「まあまあヒット」に落ち着くのではないかと思うんですよね。
現時点で、細田作品を国民的アニメかのように日テレ様が持ち上げてますが、
興行成績の数字だけで見るとけいおん映画に負けてたりして、やはりまだまだという感じです。


さらに予想を延長して
次々作を考えると、宮崎アニメでは魔女の宅急便が該当します。
宣伝効果もあり、宮崎アニメは「魔女宅」でついに
ナウシカ以来のヒットを収め、認知度もあがったわけです。


つまり、細田アニメの今後の展開予想をまとめると、
数年後の次作は「まあまあヒット」、
さらにその後の次々作が「大ヒット」し、国民的な認知度を得る。
ということになります。

余談

さて、かぎりなき妄想と、
不良大学生なみのwikipedia引用攻撃
細田アニメの今後を占ってみましたがいかがでしょうか。
「今後30年以内に大規模な地震が起こります!」と同程度の
クソ予測とお思いでしょうか。その通りだと思います。


じつは興行成績の数字で言うと、「サマーウォーズ」と「魔女宅」の
数字はかなり近かったりして、
じゃあ細田アニメはすでに国民的アニメじゃねーか
というツッコミ上等な感じの
ボロ理論ですが、「似たような扱いをされている二人のアニメ作家の道程に、
どの程度共通項があるか?」
という思考実験としてはなかなか面白いと思います。


ちなみに「おおかみこども」を
「認知度定着前の並ヒット」作品と断言予測できたのには
もう一つわけがあって、
見た感想が「面白いんだけど、今一歩!」だったからなんですよね。

中盤で姉妹の間に事件が起こるんですけど、
その解決となるオチがないまま終わったりとか・・・
「これは大ヒット間違いなしだな!」と思わせるほどの
パワーはなかったと思います。


やはりまだまだ細田アニメは
「見ればけっこう面白い、知る人ぞ知るアニメ」というポジションだと思います。
次作、いや、次々作で国民的アニメの地位をゲットだ!
がんばれ細田大明神!
映画とサントラでお布施はしといたぜ!
というわけでオシマイです。

劇場公開映画「おおかみこどもの雨と雪」オリジナル・サウンドトラック

劇場公開映画「おおかみこどもの雨と雪」オリジナル・サウンドトラック

*1:脚本は奥寺氏との共同ですが

*2:2012年中には45才になってしまわれますが・・ゴニョゴニョ

オタクの『基礎教養』とはどこまでなのか?をDAICONアニメ見ながら考えた

ウラシマ効果でも受けてたのか?
っていうレベルの言及の遅さですが、今年の初めにこんな記事がありました。
20代のアニメ業界人が劇場版「銀河鉄道999」を誰も見ていないという衝撃 - ぬるヲタが斬る -

変態的な動きの金田プロミネンスは必見だよめーてるー


この記事を読むと色々なことに考えが及びますが、
ぼくが特に気になったのは
「アニメを語るさいには、どこまでの知識をフォローすれば合格なんだろうか?」
ということです。


この話題はオタク界における永遠の命題のような気もします。
アニメ編集者、アニメスタッフのようなアニメ業界人の方々のみならず、
「オタクたるもの、一家言を持ちたい!」
ヌルいオタクと言われたくない!」「あの人に勝ちたい!
などなど誰と戦ってんのかわからない高意識オタクの皆さんにも(皆さんにこそ)深く関わるものだと思います。

勝ちたいんや!


ただ具体的に深度(どの時代まで遡るか)や範囲(同時代のどのジャンルまでカバーするか)
を語り始めたり、個々の事例を検討
(例えばアニメ監督と市井のオタクのカバーすべき範囲は違うのではないかとか)
し始めると大変なことになりますし、
ぶっちゃけるとここまでの話題はただのフリ*1なのでさっさと本題に入りたいと思います。

本題

今回はこのようなオタクの基礎教養問題では真っ先に弾かれそう
DAICONアニメの重箱の隅について語りたいと思います。


DAICON FILM - Wikipedia
DAICON FILMダイコンフィルム)は、1981年から1985年にかけて活動したアニメ・特撮を中心とする自主映画の制作集団。アニメ制作会社ガイナックスの母体となった。…
『DAICON4オープニングアニメ』には、アニメ制作会社アートランドに所属していた板野一郎平野俊弘、垣野内成美らプロのアニメーターが協力した。また、赤井孝美と同郷だった前田真宏、前田の大学の先輩である貞本義行DAICON FILMに合流、ここで後のガイナックス中核となるメンバーが揃っている。


はい、まあそういうわけで、エヴァグレンラガンで有名なガイナックス
スタッフの皆さんが学生時代に作った超絶クオリティの自主制作アニメが
『DAICONアニメ』というわけなんですね。
すいません、知ってる方前提の記事なので説明が超おざなりです。


実はぼくも前述の記事での近藤氏と同じく*2
「いいものは見てほしいけど残るんだろうか、無理に見せてもだめだし、
残す努力が必要なんだろうか?」
みたいな観点でDAICONアニメをボケーッと見ていたのですよ!!!


そういうわけで
この場を借りて訪問者の皆さんにDAICONアニメを中心としたオタ教養を強化していただくため、
「オタク基礎教養の強化に最適!DAICONアニメ豆知識!」
みたいな記事を書こうとしたのですが、
映像に登場するキャラクターの物量に圧倒されてしまい
光の速さで挫折しました。
ええ、圧倒されましたとも。
それはもうびっくりどっきりメカを乱発し始めた頃のジオン軍のような絶望感でしたよ。






圧倒的じゃないか・・・(敵軍が)


まあなんにせよDAICONオタクエリート達を舐めてました。ぼくの負けです。
というわけで、今回の記事は
エヴァ庵野カントクつながりでDAICON見て、すげえのはわかったけど
出てくるキャラクターが全然わかんねぇ」
みたいな理由で基礎教養を求める若い方向けの情報提供の場プラス、
こんな記事書いたくせに未解読部分残しまくりなブログ主への
ベテランオタク様による教養指導の場の意味も持つという
まことにインタラクティブな方向性となっております。
実にごまかすのがうまい


ちなみに、この記事を書いてる途中で届いたオタキング様の本を読んでみたら
言いたいことが全部書いてあったので、
今回の記事はオタキング様の本で言及されていないところを狙って書くことにします。
オタキングの本と、このブログを合わせて読めばDAICONアニメの謎は全部解明さ!
誰が喜ぶんだそれ

世紀の大怪獣!!オカダ―岡田斗司夫のお蔵出し

世紀の大怪獣!!オカダ―岡田斗司夫のお蔵出し

この本です

レベル1

しれっとDAICON4アニメの画像だけを貼っておりますが、
DAICON3アニメについては映像スピードが穏やかかつ、画面密度も控えめであり
検証を要するほどではないと考えて豪快にオミットしております。すいません。


さて、DAICON4アニメの前半は比較的検証の難易度が低く、
後半になるほど難易度と密度が上がっていくという
親切な仕様になってます。
ですんで前半部はぬるいブログ主でもキャラクターの出自がわかるのですが、
その中でもわかりにくそうなものをピックアップしてみます。

モビルスーツウルトラ怪獣(左)は有名どころが揃ってます。
女の子に投げ飛ばされるロボット(右)はダイナマンダイナロボ。
で、エイリアン(中央)は皆さんご存知のギーガーのエイリアンなんですが、
彼に関してはネタ元とは別の意味でいろいろ謎があります。
まず徒手空拳で最強のはずなのになんか得物持ってます。
これは「2001年宇宙の旅」のディスカバリー号だそうです。
なぜディスカバリー号なのか・・はいいです。ノリだと思います。
それよりもなぜディスカバリー号を地面に突き立てると爆発するんでしょう。爆薬筒ですか?
さらに、なぜ脚部アーマーらしきものを履いているのかもよくわかりません。情報希望。



女の子が飛び乗ってサーフィンする謎の剣(左)。
各所では、「エルリックサーガ」のストームブリンガー(右)だとか、エクスカリバー(作品名不明)だとか、
ロトの剣だとか色々言われてます。まあロトの剣は年代的にないでしょうが・・
とりあえずここではストームブリンガーであるということにしときます。
形状は似てると思います。ルーン文字は書いてないけど。



・・ちょっとオタク気圧が上がってきましたね。
左から、ヨーダをはじめとするスターウォーズのキャラクター達、
黄金バット」のナゾー様星新一氏のオリジナルキャラクター「ホシヅル」、
「宇宙人東京に現わる」のパイラ人、だそうです。
どれも確定でいいと思うんですが、一つだけわかりません。
ヨーダ師匠の落語をチューバッカの隣で聞いてるの(黄色枠内)はなんというキャラなんでしょう?
ダメだ!スターウォーズ民呼んでこい!って戦争ごっこっぽく叫んでも誰も来てくれないので困ってます。

レベル2


一回目のサビが始まるあたりでレベル2に入ります。
マクロスとかバルキリーとか出てきて賑やかですが、
ウルトラホークが編隊飛行してる下の地表がなんかアレ(左)です。
戦略ゲームのヘックスとダイスだそうです。
さらにマクロス超強攻型(公式)などなどが戦ってるシーンの背景が
なぜか喫茶店ですが、オタキングによればこれは
「喫茶店内でオタク達が馬鹿騒ぎ(=戦闘)
しているのを冷ややかに見つめる一般人」
の暗喩だそうです。
80年代のオタクさんは明るいイデオンとかトミノコ族とかいって
色々吹っ切れてるイメージがありましたけど、ちゃんとメタ視点もあったんですね!

シーンはファンタジーやSFの世界へ。
アレしてコレした画像なのでなんかもうブレブレですが、(左)はファンタジー作品の世界。
オタキングの本では

ユニコーン、グイン、コナン、白き竜の流れる「ファンタジーの世界」

となってますので、これに追加すると、左の画像にいるライオンさんは「ナルニア国物語」のアスラン


続いて、(右)画像のSF世界は

インターセプターやマーシャンズウォーマシン、TIEファイター、サンダーバード3号、
ミレニアムファルコンらが飛んでいく、「SFの世界」

これにもしつこく追加すると、黄色枠で囲ったメカは「スタートレック」のクリンゴン人のバトルクルーザー。



だいぶ難易度が上がってきました。このへんからこの記事はただの質問集になっていきますのであしからず。
このあたりの世界はオタキングによると

仮面ライダー流星号ゴモラジェットジャガーナウシカ鉄人28号
ジャイアントロボタッコングリン・ミンメイレミー島田、ラグ・ウラロ、
オーロラ姫、キューティーハニー、ダリー、マジンガーZ、長さん、ベガのいる
「アニメ・特撮・コミックの世界」

この説明を読んで
「へーオーロラ姫っていうのか!みなしごハッチあたりのキャラかと思ったー」
とか言いながら膝をバシバシ十六連打くらいしていたブログ主ですが、
ちょっと疑問もあります。
目を皿のようにして見たんですけど、レミー島田(『戦国魔神ゴーショーグン』)と
ラグ・ウラロ(『戦闘メカザブングル』)、ホントにいますかね?確認できず。
さらには情けないことに、この説明を与えられてもなおわかんないキャラが何人もいます。
(左)画像、ナウシカ王蟲の隣にいる不敵な笑顔のクモっぽいのは何なんでしょう?
(中央)画像、件のオーロラ姫の後ろにいる、ガンダム連邦軍制服っぽいのを着てるのは誰?
セイラさんじゃないし・・
(右)画像、右手前の黄色枠内、カチューシャをつけた茶髪の女の子
続いて、長さん(『童夢』)の後ろにいる、大友克洋っぽいアゴラインの女の子
いったい誰なんだ。気になって夜も眠れません。嘘です。


そして、オタキングに「失神しそう」と言わしめた伝説の庵野サーカスと庵野爆発が登場。
その直前にいくつか小ネタが挟まってます。

これも「今さら(略」と言われそうですが、一応。
ツイッターの有志にお聞きしたところ、モゲラと衝突しているのが
ジャガーバルカン(『太陽戦隊サンバルカン』)、サンダーバード5号を押しつぶしてるのが
大魔艦(『惑星大戦争』)だそうです。

都市が崩壊し、山が隆起する大スペクタクルを経て、さらに小ネタ。
(左)画像は左がロビー(『禁断の惑星』)で
右がヒューイ(または色違いのルーイ・デューイ)(『サイレントランニング』)。
(右)画像は『ダイナマン』のメギド王子と王女キメラだそうです。
また余計なことを言うようですが、
なんでメギドとキメラは仲良くおにぎりを食べてるんですかね?単なるギャップ狙いのパロディかな?

レベル100


ついに来ました、初見時は誰もが目テンになるであろうキャラクター引用の嵐。
これを初見ですべて把握できる人類がいるだろうか、いやいない(反語)。
「コマ送りは必須である」と評されたこのシーンですが
視聴資料がアレしてコレした動画のそれなり画質なためにコマ送りしてもわからなかった
のでオタキング様の本を引用(出展作品の記述を省略、キャラクター名のみ)。

ハカイダー、マリア、ペリー・ローダン、メタルナ・ミュータント、ポール星人、
火星人、ゴート、東丈、スペル星人ユル・ブリンナーロボット、ヨーダ
レプリカント仮面ライダー、X星人、(後略)

すいません、飽きました。
この後も大量のキャラクター出典の説明は続き、50ほどのキャラクター名が挙げられています。
気になる方は岡田氏の著作を買ってくださいということで・・・


このようなオタキングの親切な説明がありつつも、なお
「キャラクター名でググっても画像と一致しない」「そもそもググるのがめんどくさい
などの理由で不幸にも出自が突き止められなかったキャラクターを
挙げておきます。

「5」についてはツイッター民の方々のおかげで
フラットウッズモンスターではないか?」との答えを得られたのですが、
他の番号のキャラクターについてはサッパリです。情報きぼん!!

まとめ

さて、ここまで書いて思いついたんですけど、
DAICONアニメは当時としては「最新オタク知識の総決算」的な意味を持っており、
これは知っておかねば」もしくは「ここまで分かるか!?
といった、基礎教養の限界を探るかのような
作り手と受け手のせめぎ合いがあったんじゃないかなー、と。
現在となっては、
決して無視できない深度(1983年)と範囲(アニメ・漫画・特撮)にあるとはいえ、
「なぜわざわざ今語るねん」と言われてもしょうがない存在であるとは思いますが、
オタ教養の深度と範囲を探るせめぎ合いバトルの具現化例として
貴重なんではないかなと思います。
きみも「そんなマニアックなのしらねーよ!!!」と逆ギレしたり
○○出してきたか、これはスタッフ誉めざるを得ない」と上から目線したりして
オタ教養の限界点を感じてみないか!?


まあ冗談はさておきですね、
現在でも、この映像が誕生した文脈と映像自体の濃密さは、ガイナックスオタク、特撮オタク、オタク史オタク、自主制作アニメオタク(いるのか)、
などなど一部のオタク様にとっては必須の基礎教養でしょう。


ともかくこのオタクの基礎教養の深度と範囲の問題は
オタクであるかぎり、常につきまとう宿命のようなものなのだと思います、
と強引にまとめておしまい。

*1:毎度恒例のタイトル詐欺!!

*2:UST見てないのでアレですが←見ろ

スマイルプリキュアのエンディングダンスから作画ネタをほじくり出す

「3DCGだって、コマ送りしてほしい。」
というどっかのトイレみたいなフレーズを
脳内に受信したので、
すげえすげえと評判のスマプリED映像を
作画オタの伝統芸能であるコマ送りで見てみたところ、
色々面白い発見が。

金田作画マインド


プリキュア全員分、計5パターンの映像を繰り出す(まだ増える?)
という気合の入りっぷりがすごいスマプリEDですが、
なんかキュアハッピーさんver.の冒頭部分が特にすごいです。
なんというか・・すごく金田
金田光金田ポーズ金田タッチ(正式名わかんない)まで!


金田伊功とは (カナダヨシノリとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
1970年代から80年代の日本アニメの作画に革命をもたらした伝説のアニメーターである。
少ない枚数で描かなければならない日本アニメの制作事情から生み出された
「金田ジャンプ」「金田ビーム」等の、掟破りとも言える「あえてパースを崩す」
「光を歪ませる」「ありえない動きをさせる」ことでダイナミックなアクションを見せる技法に定評がある。

(1)

(2)

思いっきり金田的ポージング。
「なぜそこまで頭を下げ、腕を上げる必要があるのか?」とか
「その指の形はなんなんだ?」とか言ってはいけない
(3)

で、上記の(2)の画像にも見られるんですが、(3)の画像(黄色円の部分)には
金田タッチとも言うべき独特の効果線*1が入ってます。
金田氏による作画の例でいうとこんなの↓

ガイキングの躍動感を効果線で表す)

小ネタ

で、これらの金田風な仕掛けが映像上、効果を上げているかというと
ビミョー、というか一瞬すぎてわかんねえ(金田光以外)です。
まあ、かわいいと評判のプリキュアダンス映像の冒頭でいきなり
ブラックロックシューター」みたいな金田マインドオーバーフロー
な画面を出してもまずいでしょうけど、この金田作画なキュアハッピーさんはどうも
「小ネタ」とか「お遊び」くらいの扱いのようです。

大ネタ

でも、3DCGの作画マインドが全部小ネタかっていうとそうでもなくて、
マインドを生かして爽快感のある映像にされてるとこもちゃんとあります。

手描きアニメでもよくあるブラーっぽい表現で、腕の動きが小気味よい。
これ、腕モデルにブラー処理をしてあるんでしょうか?
それともこういうギザギザな形状の腕を別にモデリングするんでしょうか・・
です。3DCGに疎いので謎ばっかりです。

ハッピーさんの金田タッチは一瞬でしたが、これは十分視認できるレベル。
赤キュアさんの飛翔感が出てます。

「後ろのアニメ、手描きじゃねーのかよ!?」
と視聴者を一番混乱させるのがこのカット。
でも手描きじゃねーそうですよ。元にした原画もなしとのこと。
Twitter. It's what's happening.

宮本 浩史 @gatyapen
@**** スクリーンの中も外も、ラフ原やシート無しの3Dアニメータによるものです。
スクリーンは、自分と同じ85年生まれのアニメータ2人にがんばってもらいました。

赤キュアさんの打ったボールがキャプテン翼みたいな変形を見せてくれます。
これも、ボールをモデリングして、不可思議フォルムに調節しながら
作られていったんでしょうか・・?やはり謎。

緑キュアさんのリフティングも素晴らしく爽快感のあるタイミングです。
このリフティングを見てちょっと思ったんですけど、
上記のカットにある作画のブレ表現(オバケ)もモデリングされて作られてるんですかね?
ということは、

↑こんな感じのパーツを作って3D空間に配置調整してアニメートするわけですか?
・・皮肉とかじゃなく、ほんとに謎なんです。
気になるところです。

3DCGと手描きアニメの関係ゴニョゴニョ

某スレでも語られてました。
作画を語るスレ!!まとめ(v2) : スマイルプリキュアEDを見た作スレ民によるCG論議
気になったのは、制作プロセスについて。

241 メロン名無しさん 2012/02/07(火) 12:37:03.42 ID:???0
>>237
整合性とれてるものにあえて嘘を入れるのと
整合性ないものを正しく作る、または初めから整合性を気にしないのとは
俺の中じゃ少し違う

244 メロン名無しさん 2012/02/07(火) 12:38:26.98 ID:???0
>>241
アウトプットまでのプロセスが違う訳だからなあ
言いたいことはなんとなくわかる

双方プロセスが違っていて、3DCGだと意識的に嘘を盛り込んでいくので、
手描きの味や趣きとはどうしても違ってくるという話、かな?


このこととは別に、
「整合性とれてるものにあえて嘘を入れる」って方式には少々回りくどさ
感じる*2ので、制作時に負担じゃないのかなーとか気になります。
まあこれを言い出すと「3DCGでアニメ風な映像を作る」っていう企画自体に
もの申すことになっちゃうんですけど。
段々プログラムによって自動化・省力化されていくんでしょうか?
ツイッターではモデリング金田伊功風に勝手に調節してくれる
金田伊功フィルターみたいなプログラムが出てこねーかなーなんて話もありました。


あと、CGだからこそできる事がある、っていう点。

252 メロン名無しさん 2012/02/07(火) 12:43:42.37 ID:???0
>>249
そんなわけないだろ
スマプリのEDを手描きでやった場合の手間を考えてみろよ
どんだけ時間あっても足りない物量だぞ

〜中略〜
262 メロン名無しさん 2012/02/07(火) 12:47:15.84 ID:???0
正直作画とCGとじゃ特性が違いすぎるから
どっちが良いとか悪いとかないよ
実写と作画くらい違うから

266 メロン名無しさん 2012/02/07(火) 12:48:54.11 ID:???0
徐々にクレーンアップしながら回りこみとか作画でやったら大変だなw

まとめ

プリキュアエンディング映像はダンスPV風ということで、
回り込みなんかのカメラの縦横無尽な移動に強い3DCGには
ぴったりな題材だと思いますし、
某スレで言われてるように今後は手描きと3DCGが得意分野ですみ分ける
ことになっていきそうな気もするんですが、
今回の各プリキュア背景スクリーン内のような手描きと見まごうレベルの
3DCGなんかが出てくると、部分的には3DCGが手描きのパイを侵食するんだろうか?
とか、展開が読めなくなってきます。
なんにせよ今後の3DCGアニメ業界が楽しみです。
今回はオチなしです。

*1:金田さんが始祖かどうかはビミョーですが・・

*2:過渡期の試行錯誤でしょうから、しょうがないとは思うんですけど