おおかみこどもと宮崎駿を無理矢理コジツケてみた


はい、「おおかみこどもの雨と雪」を見たので、
この勢いに乗ってまた
妄想を語っていこうと思います。


みなさん、「おおかみこども」のスタッフロールをよくご覧ください。
「原作・脚本・監督 細田守*1とありますよね?
この表記、どっかで見たことあると思いませんか?


・・そうです宮崎駿御大です。


これこそが、ついに我らのマモたん
ほぼ完全な自身のオリジナル映画を作り、
宮崎駿御大と同格にのし上がったという紛れもない証左なのです。


日テレの回し者かオメーはと思ったみなさん、
いや、まさにそれこそが今回の本題なのです。


このままだと何が何だかわからないと思うので、順番にご説明します。

両者に共通のテレビプッシュ


いまや日テレを初めとして、マスコミの報道では
宮崎駿の真の後継者・細田守
というような持ち上げ方が定番になっています。


とくに日テレでは細田アニメを繰り返し放送することが
恒例化しつつあり、ブログ主も
「こんなに持ち上げるなら見てみるかあ!サマウォも面白かったしな!」
と、見事にステマならぬガチマの餌食になっているわけです。


まあ、日テレ様の思惑は置いといて、
「繰り返しテレビで放送されることで人気が高まる」
という現象は、まさに宮崎アニメと共通のものです。

公開当時は『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』といった
SF作品全盛期だったが、テレビでの放映が繰り返され、地方の学校や集会所、
ファンの集まりなどでフイルムが借り出されて上映会が開催され、1981年には
アニメージュ誌が宮崎の特集を組んで取り上げた。
ルパン三世 カリオストロの城 - Wikipedia

カリオストロの城」が金ローで何度も何度も何度も何度も
ウンザリするほど放送されたおかげで、宮崎駿氏の知名度が高まり、
結果、後続作品の人気につながったことは有名な話ですが、
これが細田アニメでも起ころうとしているわけです。

宮崎駿VS細田守

そういうわけで、
日頃から関連付けられている
宮崎アニメと細田アニメを比べてみたら面白いんじゃねえか?
というようなまことに安易、十番煎じ、
アニメライター様噴飯必至の妄想が
今回の主題というわけです。


石が何発か飛んできそうですが続けます。
比較基準はおもに年齢です。


今回の「おおかみこども」封切り時点で、細田氏は44才*2
同じく44才のとき宮崎氏が何をしていたかというと、
年表的には1985年ですので
ナウシカ封切りの翌年でありラピュタの封切り前年です。


ちょっとここは大人の都合で宮崎氏の44才時点での作品を
ナウシカラピュタに統合して考えることとします。


さて、この考え方を基点にすると、
両者の同年齢時点での作品
「おおかみこども」と「ナウシカラピュタ」は、
どちらも自身の初のオリジナル作品ということで符合します。


なんかMMRみたいになってきましたが続けます。

44才時点からさかのぼり、両者の前作を見てみると、
それぞれ「サマーウォーズ」と「カリオストロの城」に突き当たります。


まあ、サマーウォーズが次作との間3年、カリ城が5年ですので
年齢比較は早くも大崩壊したわけなんですけど、
ここでもちょっと符号が。


どちらも「自身がかつて手掛けた原作つきアニメのやり直し作品」
なんですよね。


え?サマウォに原作なんてあんの?と疑問に思った方、
ときどきでいいからぼくらのウォーゲーム!のことも思い出してあげてください。

諸説あるとは思いますが、仮に「サマーウォーズ」を、
ぼくらのウォーゲーム!」が下敷きとされたやり直し作品とします。
で、「カリ城」も同じくやり直し作品なわけです。

宮崎本人は自著『出発点』で、「この作品はルパン1stシリーズや、
東映時代にやってきたことの大棚ざらえで、だから昔からぼくの
仕事を見てた人は失望したというのはよくわかるんです。…(後略)」
と語っている。
(同じくwikipediaカリオストロの城」項より)

で、今後の予想

そんなわけで
サマーウォーズ」と「おおかみこども」については
宮崎アニメとの符号が見られたわけですが、
真ん中と前が合ってるなら後ろも合ってるだろ
というまたしても安易な論理で考えますと、
宮崎氏は44才時から時を経た後年、47才時点
あの名作となりのトトロを発表します。


おっ、なら細田氏も3年後にとうとう大ヒット作を生み出すのか
と思われた貴方、
いや違うんです、
この3年後の作品もまだヒットとはならないと予言したいのです。


以下トトロの興行成績について。

配給収入が5.9億円と公開当時は振るわず、
興行的には外れてしまう(この失敗のおかげで資金回収のために
魔女の宅急便』が製作されることになった)。
(同じくwikipediaより)

また、ラピュタも内容に対する評判は上々なるも、
興行成績的にはふるわなかったといいます。
この事実からして、「おおかみこども」も数年後に発表されるであろう
次作品も、認知度的には「まあまあヒット」に落ち着くのではないかと思うんですよね。
現時点で、細田作品を国民的アニメかのように日テレ様が持ち上げてますが、
興行成績の数字だけで見るとけいおん映画に負けてたりして、やはりまだまだという感じです。


さらに予想を延長して
次々作を考えると、宮崎アニメでは魔女の宅急便が該当します。
宣伝効果もあり、宮崎アニメは「魔女宅」でついに
ナウシカ以来のヒットを収め、認知度もあがったわけです。


つまり、細田アニメの今後の展開予想をまとめると、
数年後の次作は「まあまあヒット」、
さらにその後の次々作が「大ヒット」し、国民的な認知度を得る。
ということになります。

余談

さて、かぎりなき妄想と、
不良大学生なみのwikipedia引用攻撃
細田アニメの今後を占ってみましたがいかがでしょうか。
「今後30年以内に大規模な地震が起こります!」と同程度の
クソ予測とお思いでしょうか。その通りだと思います。


じつは興行成績の数字で言うと、「サマーウォーズ」と「魔女宅」の
数字はかなり近かったりして、
じゃあ細田アニメはすでに国民的アニメじゃねーか
というツッコミ上等な感じの
ボロ理論ですが、「似たような扱いをされている二人のアニメ作家の道程に、
どの程度共通項があるか?」
という思考実験としてはなかなか面白いと思います。


ちなみに「おおかみこども」を
「認知度定着前の並ヒット」作品と断言予測できたのには
もう一つわけがあって、
見た感想が「面白いんだけど、今一歩!」だったからなんですよね。

中盤で姉妹の間に事件が起こるんですけど、
その解決となるオチがないまま終わったりとか・・・
「これは大ヒット間違いなしだな!」と思わせるほどの
パワーはなかったと思います。


やはりまだまだ細田アニメは
「見ればけっこう面白い、知る人ぞ知るアニメ」というポジションだと思います。
次作、いや、次々作で国民的アニメの地位をゲットだ!
がんばれ細田大明神!
映画とサントラでお布施はしといたぜ!
というわけでオシマイです。

劇場公開映画「おおかみこどもの雨と雪」オリジナル・サウンドトラック

劇場公開映画「おおかみこどもの雨と雪」オリジナル・サウンドトラック

*1:脚本は奥寺氏との共同ですが

*2:2012年中には45才になってしまわれますが・・ゴニョゴニョ

オタクの『基礎教養』とはどこまでなのか?をDAICONアニメ見ながら考えた

ウラシマ効果でも受けてたのか?
っていうレベルの言及の遅さですが、今年の初めにこんな記事がありました。
20代のアニメ業界人が劇場版「銀河鉄道999」を誰も見ていないという衝撃 - ぬるヲタが斬る -

変態的な動きの金田プロミネンスは必見だよめーてるー


この記事を読むと色々なことに考えが及びますが、
ぼくが特に気になったのは
「アニメを語るさいには、どこまでの知識をフォローすれば合格なんだろうか?」
ということです。


この話題はオタク界における永遠の命題のような気もします。
アニメ編集者、アニメスタッフのようなアニメ業界人の方々のみならず、
「オタクたるもの、一家言を持ちたい!」
ヌルいオタクと言われたくない!」「あの人に勝ちたい!
などなど誰と戦ってんのかわからない高意識オタクの皆さんにも(皆さんにこそ)深く関わるものだと思います。

勝ちたいんや!


ただ具体的に深度(どの時代まで遡るか)や範囲(同時代のどのジャンルまでカバーするか)
を語り始めたり、個々の事例を検討
(例えばアニメ監督と市井のオタクのカバーすべき範囲は違うのではないかとか)
し始めると大変なことになりますし、
ぶっちゃけるとここまでの話題はただのフリ*1なのでさっさと本題に入りたいと思います。

本題

今回はこのようなオタクの基礎教養問題では真っ先に弾かれそう
DAICONアニメの重箱の隅について語りたいと思います。


DAICON FILM - Wikipedia
DAICON FILMダイコンフィルム)は、1981年から1985年にかけて活動したアニメ・特撮を中心とする自主映画の制作集団。アニメ制作会社ガイナックスの母体となった。…
『DAICON4オープニングアニメ』には、アニメ制作会社アートランドに所属していた板野一郎平野俊弘、垣野内成美らプロのアニメーターが協力した。また、赤井孝美と同郷だった前田真宏、前田の大学の先輩である貞本義行DAICON FILMに合流、ここで後のガイナックス中核となるメンバーが揃っている。


はい、まあそういうわけで、エヴァグレンラガンで有名なガイナックス
スタッフの皆さんが学生時代に作った超絶クオリティの自主制作アニメが
『DAICONアニメ』というわけなんですね。
すいません、知ってる方前提の記事なので説明が超おざなりです。


実はぼくも前述の記事での近藤氏と同じく*2
「いいものは見てほしいけど残るんだろうか、無理に見せてもだめだし、
残す努力が必要なんだろうか?」
みたいな観点でDAICONアニメをボケーッと見ていたのですよ!!!


そういうわけで
この場を借りて訪問者の皆さんにDAICONアニメを中心としたオタ教養を強化していただくため、
「オタク基礎教養の強化に最適!DAICONアニメ豆知識!」
みたいな記事を書こうとしたのですが、
映像に登場するキャラクターの物量に圧倒されてしまい
光の速さで挫折しました。
ええ、圧倒されましたとも。
それはもうびっくりどっきりメカを乱発し始めた頃のジオン軍のような絶望感でしたよ。






圧倒的じゃないか・・・(敵軍が)


まあなんにせよDAICONオタクエリート達を舐めてました。ぼくの負けです。
というわけで、今回の記事は
エヴァ庵野カントクつながりでDAICON見て、すげえのはわかったけど
出てくるキャラクターが全然わかんねぇ」
みたいな理由で基礎教養を求める若い方向けの情報提供の場プラス、
こんな記事書いたくせに未解読部分残しまくりなブログ主への
ベテランオタク様による教養指導の場の意味も持つという
まことにインタラクティブな方向性となっております。
実にごまかすのがうまい


ちなみに、この記事を書いてる途中で届いたオタキング様の本を読んでみたら
言いたいことが全部書いてあったので、
今回の記事はオタキング様の本で言及されていないところを狙って書くことにします。
オタキングの本と、このブログを合わせて読めばDAICONアニメの謎は全部解明さ!
誰が喜ぶんだそれ

世紀の大怪獣!!オカダ―岡田斗司夫のお蔵出し

世紀の大怪獣!!オカダ―岡田斗司夫のお蔵出し

この本です

レベル1

しれっとDAICON4アニメの画像だけを貼っておりますが、
DAICON3アニメについては映像スピードが穏やかかつ、画面密度も控えめであり
検証を要するほどではないと考えて豪快にオミットしております。すいません。


さて、DAICON4アニメの前半は比較的検証の難易度が低く、
後半になるほど難易度と密度が上がっていくという
親切な仕様になってます。
ですんで前半部はぬるいブログ主でもキャラクターの出自がわかるのですが、
その中でもわかりにくそうなものをピックアップしてみます。

モビルスーツウルトラ怪獣(左)は有名どころが揃ってます。
女の子に投げ飛ばされるロボット(右)はダイナマンダイナロボ。
で、エイリアン(中央)は皆さんご存知のギーガーのエイリアンなんですが、
彼に関してはネタ元とは別の意味でいろいろ謎があります。
まず徒手空拳で最強のはずなのになんか得物持ってます。
これは「2001年宇宙の旅」のディスカバリー号だそうです。
なぜディスカバリー号なのか・・はいいです。ノリだと思います。
それよりもなぜディスカバリー号を地面に突き立てると爆発するんでしょう。爆薬筒ですか?
さらに、なぜ脚部アーマーらしきものを履いているのかもよくわかりません。情報希望。



女の子が飛び乗ってサーフィンする謎の剣(左)。
各所では、「エルリックサーガ」のストームブリンガー(右)だとか、エクスカリバー(作品名不明)だとか、
ロトの剣だとか色々言われてます。まあロトの剣は年代的にないでしょうが・・
とりあえずここではストームブリンガーであるということにしときます。
形状は似てると思います。ルーン文字は書いてないけど。



・・ちょっとオタク気圧が上がってきましたね。
左から、ヨーダをはじめとするスターウォーズのキャラクター達、
黄金バット」のナゾー様星新一氏のオリジナルキャラクター「ホシヅル」、
「宇宙人東京に現わる」のパイラ人、だそうです。
どれも確定でいいと思うんですが、一つだけわかりません。
ヨーダ師匠の落語をチューバッカの隣で聞いてるの(黄色枠内)はなんというキャラなんでしょう?
ダメだ!スターウォーズ民呼んでこい!って戦争ごっこっぽく叫んでも誰も来てくれないので困ってます。

レベル2


一回目のサビが始まるあたりでレベル2に入ります。
マクロスとかバルキリーとか出てきて賑やかですが、
ウルトラホークが編隊飛行してる下の地表がなんかアレ(左)です。
戦略ゲームのヘックスとダイスだそうです。
さらにマクロス超強攻型(公式)などなどが戦ってるシーンの背景が
なぜか喫茶店ですが、オタキングによればこれは
「喫茶店内でオタク達が馬鹿騒ぎ(=戦闘)
しているのを冷ややかに見つめる一般人」
の暗喩だそうです。
80年代のオタクさんは明るいイデオンとかトミノコ族とかいって
色々吹っ切れてるイメージがありましたけど、ちゃんとメタ視点もあったんですね!

シーンはファンタジーやSFの世界へ。
アレしてコレした画像なのでなんかもうブレブレですが、(左)はファンタジー作品の世界。
オタキングの本では

ユニコーン、グイン、コナン、白き竜の流れる「ファンタジーの世界」

となってますので、これに追加すると、左の画像にいるライオンさんは「ナルニア国物語」のアスラン


続いて、(右)画像のSF世界は

インターセプターやマーシャンズウォーマシン、TIEファイター、サンダーバード3号、
ミレニアムファルコンらが飛んでいく、「SFの世界」

これにもしつこく追加すると、黄色枠で囲ったメカは「スタートレック」のクリンゴン人のバトルクルーザー。



だいぶ難易度が上がってきました。このへんからこの記事はただの質問集になっていきますのであしからず。
このあたりの世界はオタキングによると

仮面ライダー流星号ゴモラジェットジャガーナウシカ鉄人28号
ジャイアントロボタッコングリン・ミンメイレミー島田、ラグ・ウラロ、
オーロラ姫、キューティーハニー、ダリー、マジンガーZ、長さん、ベガのいる
「アニメ・特撮・コミックの世界」

この説明を読んで
「へーオーロラ姫っていうのか!みなしごハッチあたりのキャラかと思ったー」
とか言いながら膝をバシバシ十六連打くらいしていたブログ主ですが、
ちょっと疑問もあります。
目を皿のようにして見たんですけど、レミー島田(『戦国魔神ゴーショーグン』)と
ラグ・ウラロ(『戦闘メカザブングル』)、ホントにいますかね?確認できず。
さらには情けないことに、この説明を与えられてもなおわかんないキャラが何人もいます。
(左)画像、ナウシカ王蟲の隣にいる不敵な笑顔のクモっぽいのは何なんでしょう?
(中央)画像、件のオーロラ姫の後ろにいる、ガンダム連邦軍制服っぽいのを着てるのは誰?
セイラさんじゃないし・・
(右)画像、右手前の黄色枠内、カチューシャをつけた茶髪の女の子
続いて、長さん(『童夢』)の後ろにいる、大友克洋っぽいアゴラインの女の子
いったい誰なんだ。気になって夜も眠れません。嘘です。


そして、オタキングに「失神しそう」と言わしめた伝説の庵野サーカスと庵野爆発が登場。
その直前にいくつか小ネタが挟まってます。

これも「今さら(略」と言われそうですが、一応。
ツイッターの有志にお聞きしたところ、モゲラと衝突しているのが
ジャガーバルカン(『太陽戦隊サンバルカン』)、サンダーバード5号を押しつぶしてるのが
大魔艦(『惑星大戦争』)だそうです。

都市が崩壊し、山が隆起する大スペクタクルを経て、さらに小ネタ。
(左)画像は左がロビー(『禁断の惑星』)で
右がヒューイ(または色違いのルーイ・デューイ)(『サイレントランニング』)。
(右)画像は『ダイナマン』のメギド王子と王女キメラだそうです。
また余計なことを言うようですが、
なんでメギドとキメラは仲良くおにぎりを食べてるんですかね?単なるギャップ狙いのパロディかな?

レベル100


ついに来ました、初見時は誰もが目テンになるであろうキャラクター引用の嵐。
これを初見ですべて把握できる人類がいるだろうか、いやいない(反語)。
「コマ送りは必須である」と評されたこのシーンですが
視聴資料がアレしてコレした動画のそれなり画質なためにコマ送りしてもわからなかった
のでオタキング様の本を引用(出展作品の記述を省略、キャラクター名のみ)。

ハカイダー、マリア、ペリー・ローダン、メタルナ・ミュータント、ポール星人、
火星人、ゴート、東丈、スペル星人ユル・ブリンナーロボット、ヨーダ
レプリカント仮面ライダー、X星人、(後略)

すいません、飽きました。
この後も大量のキャラクター出典の説明は続き、50ほどのキャラクター名が挙げられています。
気になる方は岡田氏の著作を買ってくださいということで・・・


このようなオタキングの親切な説明がありつつも、なお
「キャラクター名でググっても画像と一致しない」「そもそもググるのがめんどくさい
などの理由で不幸にも出自が突き止められなかったキャラクターを
挙げておきます。

「5」についてはツイッター民の方々のおかげで
フラットウッズモンスターではないか?」との答えを得られたのですが、
他の番号のキャラクターについてはサッパリです。情報きぼん!!

まとめ

さて、ここまで書いて思いついたんですけど、
DAICONアニメは当時としては「最新オタク知識の総決算」的な意味を持っており、
これは知っておかねば」もしくは「ここまで分かるか!?
といった、基礎教養の限界を探るかのような
作り手と受け手のせめぎ合いがあったんじゃないかなー、と。
現在となっては、
決して無視できない深度(1983年)と範囲(アニメ・漫画・特撮)にあるとはいえ、
「なぜわざわざ今語るねん」と言われてもしょうがない存在であるとは思いますが、
オタ教養の深度と範囲を探るせめぎ合いバトルの具現化例として
貴重なんではないかなと思います。
きみも「そんなマニアックなのしらねーよ!!!」と逆ギレしたり
○○出してきたか、これはスタッフ誉めざるを得ない」と上から目線したりして
オタ教養の限界点を感じてみないか!?


まあ冗談はさておきですね、
現在でも、この映像が誕生した文脈と映像自体の濃密さは、ガイナックスオタク、特撮オタク、オタク史オタク、自主制作アニメオタク(いるのか)、
などなど一部のオタク様にとっては必須の基礎教養でしょう。


ともかくこのオタクの基礎教養の深度と範囲の問題は
オタクであるかぎり、常につきまとう宿命のようなものなのだと思います、
と強引にまとめておしまい。

*1:毎度恒例のタイトル詐欺!!

*2:UST見てないのでアレですが←見ろ

スマイルプリキュアのエンディングダンスから作画ネタをほじくり出す

「3DCGだって、コマ送りしてほしい。」
というどっかのトイレみたいなフレーズを
脳内に受信したので、
すげえすげえと評判のスマプリED映像を
作画オタの伝統芸能であるコマ送りで見てみたところ、
色々面白い発見が。

金田作画マインド


プリキュア全員分、計5パターンの映像を繰り出す(まだ増える?)
という気合の入りっぷりがすごいスマプリEDですが、
なんかキュアハッピーさんver.の冒頭部分が特にすごいです。
なんというか・・すごく金田
金田光金田ポーズ金田タッチ(正式名わかんない)まで!


金田伊功とは (カナダヨシノリとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
1970年代から80年代の日本アニメの作画に革命をもたらした伝説のアニメーターである。
少ない枚数で描かなければならない日本アニメの制作事情から生み出された
「金田ジャンプ」「金田ビーム」等の、掟破りとも言える「あえてパースを崩す」
「光を歪ませる」「ありえない動きをさせる」ことでダイナミックなアクションを見せる技法に定評がある。

(1)

(2)

思いっきり金田的ポージング。
「なぜそこまで頭を下げ、腕を上げる必要があるのか?」とか
「その指の形はなんなんだ?」とか言ってはいけない
(3)

で、上記の(2)の画像にも見られるんですが、(3)の画像(黄色円の部分)には
金田タッチとも言うべき独特の効果線*1が入ってます。
金田氏による作画の例でいうとこんなの↓

ガイキングの躍動感を効果線で表す)

小ネタ

で、これらの金田風な仕掛けが映像上、効果を上げているかというと
ビミョー、というか一瞬すぎてわかんねえ(金田光以外)です。
まあ、かわいいと評判のプリキュアダンス映像の冒頭でいきなり
ブラックロックシューター」みたいな金田マインドオーバーフロー
な画面を出してもまずいでしょうけど、この金田作画なキュアハッピーさんはどうも
「小ネタ」とか「お遊び」くらいの扱いのようです。

大ネタ

でも、3DCGの作画マインドが全部小ネタかっていうとそうでもなくて、
マインドを生かして爽快感のある映像にされてるとこもちゃんとあります。

手描きアニメでもよくあるブラーっぽい表現で、腕の動きが小気味よい。
これ、腕モデルにブラー処理をしてあるんでしょうか?
それともこういうギザギザな形状の腕を別にモデリングするんでしょうか・・
です。3DCGに疎いので謎ばっかりです。

ハッピーさんの金田タッチは一瞬でしたが、これは十分視認できるレベル。
赤キュアさんの飛翔感が出てます。

「後ろのアニメ、手描きじゃねーのかよ!?」
と視聴者を一番混乱させるのがこのカット。
でも手描きじゃねーそうですよ。元にした原画もなしとのこと。
Twitter. It's what's happening.

宮本 浩史 @gatyapen
@**** スクリーンの中も外も、ラフ原やシート無しの3Dアニメータによるものです。
スクリーンは、自分と同じ85年生まれのアニメータ2人にがんばってもらいました。

赤キュアさんの打ったボールがキャプテン翼みたいな変形を見せてくれます。
これも、ボールをモデリングして、不可思議フォルムに調節しながら
作られていったんでしょうか・・?やはり謎。

緑キュアさんのリフティングも素晴らしく爽快感のあるタイミングです。
このリフティングを見てちょっと思ったんですけど、
上記のカットにある作画のブレ表現(オバケ)もモデリングされて作られてるんですかね?
ということは、

↑こんな感じのパーツを作って3D空間に配置調整してアニメートするわけですか?
・・皮肉とかじゃなく、ほんとに謎なんです。
気になるところです。

3DCGと手描きアニメの関係ゴニョゴニョ

某スレでも語られてました。
作画を語るスレ!!まとめ(v2) : スマイルプリキュアEDを見た作スレ民によるCG論議
気になったのは、制作プロセスについて。

241 メロン名無しさん 2012/02/07(火) 12:37:03.42 ID:???0
>>237
整合性とれてるものにあえて嘘を入れるのと
整合性ないものを正しく作る、または初めから整合性を気にしないのとは
俺の中じゃ少し違う

244 メロン名無しさん 2012/02/07(火) 12:38:26.98 ID:???0
>>241
アウトプットまでのプロセスが違う訳だからなあ
言いたいことはなんとなくわかる

双方プロセスが違っていて、3DCGだと意識的に嘘を盛り込んでいくので、
手描きの味や趣きとはどうしても違ってくるという話、かな?


このこととは別に、
「整合性とれてるものにあえて嘘を入れる」って方式には少々回りくどさ
感じる*2ので、制作時に負担じゃないのかなーとか気になります。
まあこれを言い出すと「3DCGでアニメ風な映像を作る」っていう企画自体に
もの申すことになっちゃうんですけど。
段々プログラムによって自動化・省力化されていくんでしょうか?
ツイッターではモデリング金田伊功風に勝手に調節してくれる
金田伊功フィルターみたいなプログラムが出てこねーかなーなんて話もありました。


あと、CGだからこそできる事がある、っていう点。

252 メロン名無しさん 2012/02/07(火) 12:43:42.37 ID:???0
>>249
そんなわけないだろ
スマプリのEDを手描きでやった場合の手間を考えてみろよ
どんだけ時間あっても足りない物量だぞ

〜中略〜
262 メロン名無しさん 2012/02/07(火) 12:47:15.84 ID:???0
正直作画とCGとじゃ特性が違いすぎるから
どっちが良いとか悪いとかないよ
実写と作画くらい違うから

266 メロン名無しさん 2012/02/07(火) 12:48:54.11 ID:???0
徐々にクレーンアップしながら回りこみとか作画でやったら大変だなw

まとめ

プリキュアエンディング映像はダンスPV風ということで、
回り込みなんかのカメラの縦横無尽な移動に強い3DCGには
ぴったりな題材だと思いますし、
某スレで言われてるように今後は手描きと3DCGが得意分野ですみ分ける
ことになっていきそうな気もするんですが、
今回の各プリキュア背景スクリーン内のような手描きと見まごうレベルの
3DCGなんかが出てくると、部分的には3DCGが手描きのパイを侵食するんだろうか?
とか、展開が読めなくなってきます。
なんにせよ今後の3DCGアニメ業界が楽しみです。
今回はオチなしです。

*1:金田さんが始祖かどうかはビミョーですが・・

*2:過渡期の試行錯誤でしょうから、しょうがないとは思うんですけど

ニッチな作画ネタ3:ブレイク「以前」の磯光雄作画

お久しぶりです。
ニッチな話題を突いてアクセスを集め、
あわよくばアルファブロガーになってやろうという
私欲が凝り固まったニッチな作画ネタのコーナーです。


タイトルからし
磯氏の知名度にかこつけてアクセス数を伸ばしてやろう
という魂胆がミエミエです。
このヘッドライン詐欺!!
はい、すいませんでした。

でもでもアフィブログもゲハブログもみんなやってるんだよママ

本題

今回はアニメーター磯光雄氏のお仕事についてです。
すでに散々語りつくされてるのに、なんで今更磯氏?
って感じですが、いや、氏についての言説にも
まだまだニッチな要素があったんですよ!
磯って誰ぞ?という方は(いないと思いますけど)こちらをどうぞ。


磯 光雄(いそ みつお、1966年 - )は、日本の監督、アニメーター、脚本家、演出家。
…1990年代以後のアニメ作画シーンに確実に影響を与えたと評されるアニメーター。
メカ作画や、自然現象や爆発などのエフェクトアニメーションを得意とする。
…1989年のOVA機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の第1話冒頭の
北極基地攻略シーンの原画によって業界内で注目を浴びる。

皆様ご存じのとおり、
ブレイク後の磯氏のお仕事については
ネット内でも注目度が高く、かなり語りつくされてます。
ですんでニッチを突いてアクセス数をかすめ取る当ブログは今回
「ブレイク以前」という切り口で攻めたいと思います。

ブレイク以前の参加作品


仮にガンダム0080でのお仕事を「ブレイク」として設定すると、
「それ以前」として明確に言えるのはこのへんかと思われます。


忍者戦士飛影(1985~1986) 原画 35話 40話
マシンロボ クロノスの大逆襲(1986~1987) 原画 18話 38話
ゲゲゲの鬼太郎[第3作](1985~1988) 原画 97話 99話 102話 104話
機甲戦記ドラグナー(1987~1988) 原画 32話 36話 39話
(以上作画wikiより引用)

ゼオライマー
(過去記事:とっつぁんの作った女 - 批評家もまた批評さる
トランスフォーマースターフォース
(参考リンク:http://09052563.at.webry.info/200808/article_2.html
(過去記事:作画者には濃い餌を - 批評家もまた批評さる
逆襲のシャア
(参考リンク:機動戦士ガンダム 逆襲のシャア① : 泥があったら潜りたい。
などなど

このへんの作品(1988〜1989)になると0080』と時期が被ってきますんで、
もうこれは作風がある程度固まって「ブレイク中」の仕事ってことにしときます。


ブレイク以前の作画的特徴

ブレイク前の氏の特徴としては
ブレイク以後につながってるっぽい特徴と
別人じゃないの?ってくらいつながらない特徴と二つあって、
もちろんつながりのある方について書くと磯研究的にはよいのでしょうが
つながらない方の特徴が面白すぎて言いたくてしゃーない
のでこっちを書きますすいません。
つながらない方の特徴とは
手、オバケ、山下系作画
の三つです。


(※『ゲゲゲの鬼太郎(3期)』102話)
まずはやけに力強くてデッサン課題みたいなポージングが特徴的。
稲野義信氏の影響のようです。
この単体でもおもしろいんですけど
磯氏の仕事か否かの判別のさいにも非常に役立つんですよね。
以下は実践していらっしゃる方の例。
機甲戦記ドラグナー#4 : 泥があったら潜りたい。

特に手の描き方なんか見ると、80年代の磯さんの特徴が結構出てますね。
(※『機甲戦記ドラグナー』での磯作画について)

そう!そうなんですよ。
ブレイク前の氏の作画も見ていてとっても面白いのですが、
ガンダム0080』や『エヴァンゲリオン劇場版』
のような1シーン丸ごと異空間
というほど特徴が出てるわけでもないので、
「この手の形が!」とか「線の引き方が!」とかっつって細部に注目しだすと、
だんだん骨董鑑定会みたいになってくるんですよね。
いや、それももちろん楽しいんですけど。

オバケ


(※鬼太郎102話)
オバケとは

動きが速くて形がはっきりしないものや、速さを表現するための残像効果的な絵のこと

これは『鬼太郎』で顕著な特徴。
ギャグ感やコミカル感を出すためなのでしょうが、
ちょっとやりすぎじゃねえのかってくらい使われてます。
(過去記事:狂気のオバケ・マークISO - 批評家もまた批評さる
でも確かに少ない枚数でよく動いているように見えるので、効果は上がってると思います。
で、なんでこの時期オバケが多用されてるのか
の答えになるかもしれない氏の発言がこちら。
(※『オトナファミ』08年3月号の2chへの転載の転載)

― 絵を描くのは得意だったんですか?
磯「小学生の時に始めたパラパラ漫画を、高校生になってからも受験帰りとかに描いたりしてましたね。
  絵が動けばそれだけで面白くて。だから下地は業界に入る前からありました。
  人から教わったり、無理してやってたんじゃないのがよかった。」
磯「でも、プロになってから原画と動画を分けるって方法がまったく出来なくて。
  業界の手法と自分の手法の接点を探すのが大変でした。
  だから自分のスタイルはプロになってから発見したんです。でも、いまでも絵を飛び飛びに
  描くっていうのが出来ないんですよ・・・いや、この話はスタッフに聞かれるとマズいな(笑)」

ご存じのとおり、ブレイク後は
「フル3コマ作画」という面妖な技法を身に着けた氏ですが、
そこに至るまでの手法の模索の一つが、オバケだったんじゃないかと思うんですよね。


ちなみにさっきの定義でいくと「ブレイク中」「ブレイク以後」の仕事になっちゃうんですけど、
ファイナルファンタジー』や『ワタル』でもオバケやってます。


なら「ブレイク以前」に限った特徴じゃねーじゃん
って感じですけどそのへんは目をつぶってください。
「ブレイク以前」に顕著で「以後」はオバケが少なくなるって結論でなんとか・・

山下系作画


(※『マシンロボ』18話)
ブレイク後は「磯作画」ともいうべき新ジャンルを開拓した氏ですが、
ブレイク以前の作画*1コテッコテの山下系です。
ワカメ影や強烈なパースのついたプロポーションもそうですが
動き自体も見事に山下系なので、
作画シロートの自分には
「他の山下系なアニメーターさんの仕事と混じって判別がつかない!」
という作画判別地獄を味わわせてくれます。
いや、でもこれ、冗談抜きで判別難しいと思います。
山下系と毛色の違う磯系な作画キタ!
と思ったら重田氏の作画だったりして
赤っ恥トラップ敷設されまくりです。怖いです。

(※『ドラグナー』36話)
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア① : 泥があったら潜りたい。

先日ツイッター橋本敬史さんが、重田さんが磯さんのエフェクトの師だという話もある
という旨を仰っているのを見て、すごく納得できました。

わしゃどっちが描いたんだかさっぱりわからんよ


ただ、つながらないと書いといてアレですが、
山下系作画とブレイク後の作画には
途中の絵を抜いたような飛び飛び感(躍動感)という
共通点もあるんで、まるっきり無関係とは言えなさそうです。

まとめとおまけ

磯氏の作画については他にも
各パーツが立体として描かれている点とか色々特徴があるようですが、
まとまらないのでこのへんで。


さて、「ブレイク以前」の磯作画はどうなのか?
についての結論ですが、
べつに普通ってことでいいと思います。
忍者戦士飛影は、山下成分が強く、判別すら難しいレベル。
マシンロボは立体パーツやフル3コマのパカパカ感の黎明期
って感じで見る価値はある程度アリ。
『鬼太郎』は、オバケがひじょーに強烈なので面白いですが、
ほとんど別人の作画。典型的な「磯作画」としては楽しみづらいかも。
ドラグナーは、(自分が未熟かもですが)『飛影』と同じく、
判別はかなり難しい。
ただ、同時参加の重田氏の作画が磯氏に影響を与えたのだろうか?
とか考えながら見ると面白い。かも。


ただし、いずれの作品も、ブレイク以後のような問答無用の集客力はないけど
ブレイクに至るまでの道のりが作画の端々から感じられるという点では
どれも磯さんファンは見る価値あると思います。


しかしまぁアニメーターさんの仕事について
若いころはどうだとかブレイクしてからはどうだとか偉そうに書いてるので
何様だよオマエって言われそうですね。
アニメ様だよ文句あるかって言えればよかったんですけど
残念ながらブログ主は一介のクソオタクです。


あとおまけの過去記事。

  1. デジモン 件の磯イズム - 批評家もまた批評さるデジモンアドベンチャー(映画第1作))
  2. フル3コマの秘密をあばけ - 批評家もまた批評さるジャイアントロボ
  3. メモ - 批評家もまた批評さる海がきこえる
  4. どっちが勝つかメスゴリラ! - 批評家もまた批評さる攻殻機動隊G.I.S.)
  5. オーガス02 5・6話 - 批評家もまた批評さる
  6. ガンダム0080 磯光雄作画 - 批評家もまた批評さる

*1:とくにドラグナーと飛影

今こそ、あえて伝説すぎるアニメ『伝説巨神イデオン』を見よう!


ただ今萌えるデッドリーヴスことブラックロックシューターが絶賛放送中ですね。
皆さんご覧になってますか?
え?そんな二つ名聞いたことない?はい、今考えました。


ネット上では
日常シーンのスーパーポエミー空間に侵食され、
今石パートは?今石パートはまだかぁ!?
と耐えて待ち続ける方がいるかと思えば、逆に
技術力がすごいのはわかったからよぉ!
イメージ映像で補完力フル活用な戦闘シーンはいつまで続くんだよぉ!?」
とバトルパートに精神やられてる方もいて
阿鼻叫喚です。


あんまりポエミーでもなくなってきたようです





はい、あんまりやってると
ホントに怒られそうなのでもうやめますが、
どちらの犠牲者視聴者も
あんまし興味のもてないパートは耐え忍び、好きなパートを待つ
という点では共通しています。


そう、アニメはときに不条理に耐え忍ぶことも求められる
アングラカウンターな文化なのです。
このような素晴らしい視聴姿勢を
「だったら見るな」とか言って茶化してはいけません。


やっと本題ですが、「耐え忍ぶアニメ」といえば
このアニメをおいては他にありません。




伝説巨神イデオンです。


帰らないでくださいね。


BRSは15分弱頑張れば、ゆるふわ萌え空間ないし
スーパー今石タイムに到達することができますが、
イデオンの場合はまず「冒頭13話1クールのほぼ全てを耐え忍ぶ必要がある」ので格が違います*1


軽く説明を。


伝説巨神イデオン』(でんせつきょじんイデオン、英表記:Space Runaway Ideon)は、
1980年5月に放送開始された日本のテレビアニメである。
…本作は宇宙に進出した2つの種族が不幸な出会いを果たし、
無限のエネルギー「イデ」を巡って
誤解を重ねて泥沼の戦いを続ける物語であり、
精神科学的な理論とバイオレンスな感性を融合した作品である。(Wikipediaより)

すごいですね、この説明だけで見事に見たくなくなります。
そんなアニメをなぜBRSの約26倍もの時間耐え忍んで見る必要があるのか?
答えは簡単、嫌がらせ面白いからです。


ブログ主も半ばおっさんですが、
学生時代にイデオンを見る前のイメージはこんな感じでした。

・メカがダサい ・作画がヘボい ・キャラが古くさい
・幼女がマミる ・なんか結末がヤバイ ・超アフロ


いやこれ大体あってる
今若い人が見てもこう思うと思います。


ブログ主の場合は上のような
「どんなグロいシーンがあるんだろう」「どんな結末なんだろう」
という下世話な興味で視聴に至りました*2
あと作画
キカイダーごっこの遺産 - 批評家もまた批評さる*3
これは稲野サーカスと呼ぶべきなんでしょうか








イデオンは湖川氏ほか、名アニメーターさんが参加していますが、
基本的には板野サーカスだけ追っかけてればいいので
ぬるオタも安心です。


はい、ここまで読んでも皆さんは
「で、イデオンのどこがおもしろいんだよ?」
と思っておられると思います。
実はブログ主もよくわからないのです。
そう、富野アニメにありがちな「よくわかんないけど面白い」というやつなのです。


あえて言語化するなら、
完璧超人よりも少しくらい隙のある人間のほうが好かれるように、
「隙のあるアニメ」であるところが、なんとも面白いのです。


最近だと
ガンダムAGEの武装バリエーションが少ないのではないか?」
というような話が巷を騒がせていますが、
イデオンに至っては14話のミサイル一斉射が登場するまでは、
必殺武装は基本的に素手です。


人間ドラマの重厚さが取り上げられたりもするイデオンですが、
作画の平均レベルが高いとは言えないのに加えて
今の目で見ると、マジモンの修羅場コント風味に見えることもしばしばです。
天下分け目のビンタ合戦









大体主役ロボットのイデオンからしパープーなデザイン。*4
監督をして
イデオン自身が障害」「企画から間違っている
と言わしめる破壊力で、シリアスシーンを
そのアウタースペースな風貌で良くも悪くもマイルド*5にしていきます。

・・・と、このように、
作品分析を言葉にすると、もはや少しの隙どころか
隙だらけに思えます。


しかし、そんな隙とともに
皮肉の利いた殺伐会話をしつつも生きるために必死な主人公たちの姿や
敵側の人間の愛憎入り混じった行動に
「ダメなやつらだなあこいつらは(嫌いじゃないけど)」と思わせる人間模様など、
スバラシイ面が顔をのぞかせてくるわけで、
話が進むにつれて、イデオンはだんだんと視聴者の中で
「出来は悪いけど輝くところもある可愛い子」
になっていくのです。


世知辛いご時世、アニメ作品の全ての要素に
商業的意味を求められる昨今ですが、
あえて今、
ロボットはパープーだし
毎回まいかい毎回オープニングでぶっ放してる必殺波導ガンは29話まで出ない
キャラの殺伐会話は見る気を失せさせるし
マーケティングもクソッタレもない伝説アニメを見て、
脳をカオスに浸して気分転換するのも悪くはないと思いますよ。

*1:14話を境におもしろくなってくるので安心(?)です。

*2:でもきっかけは下世話でもなんでもいいと思います。

*3:今読むと「板野氏がノンクレで参加してるはず!」とか寝言言ってますが当時のぼくにいねーもんはいねーんだよと言ってあげたいです。

*4:ひどい表現。でも愛はあるのです(言い訳)

*5:そのおかげで、画面が悲惨になりすぎない効果もあるのですが。

暇なのでエヴァQ予告映像からアニメ作画ネタをほじくり出してみた

はい、性懲りもなくエヴァQネタで引っ張ります。


皆さん、エヴァQの新予告を見て
何か違和感を感じませんでしたか?
このカットを見てどう思いましたか?


「まあ、CGの割にアニメっぽく見せてるのはいいんだけど
なんでこんなに頭がちっさくて胴体がデカイのかなあ」
と不思議に思ったオタクの皆様、これは世に言う金田パース
というやつなんですよ。


金田 伊功 - Wikipedia
(略)
ロボットアニメなどにおいて緩急をつけながら舞うように動く
アクロバティックなメカ表現やこれに通称「金田パース」と呼ばれる
大胆に誇張された遠近感とポージングを加えた独特な作画スタイルを生み出し、
日本のアニメーションにひとつの変革を起こした。


はい、知ってる人には鬱陶しく知らない人にも鬱陶しい感じの説明ですね。


金田パースの実例

作画オタの優越感ゲームはどうでもいいから実例挙げろ、
ということで探してみました、ハイ。
(1)    (2)  


(1)は、かの島本和彦先生にも
ライガーもOPとEDは素晴らしいが・・本編はアレだな!見なくてもOKだな!
と言わしめた名作、「銀河旋風ブライガー」のOPの1カット。
ロボットを捉えたアングルではないものの、手前のキャラに比べて
後ろに控えるアイザックさんが異常に小さかったりして
弐号機の激烈パースと共通するものを感じませんか?


ちなみにこのカット、氷川竜介大先生に
「一番手前の人はカメラが上から撮ってるんですけども、
一番後ろにいるこの人は下から撮ってるんですよ、
この人は、なんかよくわかんないけどニュートラル。
とか常識外れの不思議なかっこよさについて突っ込まれていたりもして
ブログ主的に印象的なカットです。


(2)は、えーと、
多分ゴッドマーズかなんかの1シーンです。
興味のないことは恐ろしく疎かなブログ主です。


アングルが左右逆ですが、
ロボット(あるいは人物)の頭部をオーバーなくらい小さく描き、
胸のあたりがものすごくでっかい

という志向というか思想がよく似てると思いませんか?


思想の継承

まあ、当然ながらエヴァQに金田氏が参加されているわけもないんですけど
掲示板で
「金田パース、金田爆発、金田光を受け継いだスバラシイ映像だ!」と
いやに興奮している古参の方の言葉を見て
「ああ、意識的とまでではないけど思想は受け継がれてるかもしんないな」
CG部門へのアニメ作画思想の継承の可能性に気づかされたのです。
他人に責任転嫁するのがうまい



破でエヴァハードル走してた時も
アニメーターである本田雄氏がラフを描き、それに合わせてCGエヴァの手足を伸縮させる
という神業が使われていたそうで。
Q新予告の弐号機もパースを強調するために
3DCGモデルがいじられてる可能性は大ですよねー。
全体像を見ると頭部だけ異様に小っちゃかったりするのかもしれません。



もう大分懐かしい存在となりましたが、
CGアニメの皮をかぶった作画アニメといえば
カップヌードルのCMアニメ兼OVAで
「FREEDOM」なんてのがありましたよね。


この作品がCGアニメでありながら作画アニメになった理由も
思想の継承」がキーワードになるんですが、
それについてアニメ様が当時既にインタビューしてくださってます。
アニメ様には勝てる気がしない!
WEBアニメスタイル_特別企画


インタビューを要約すると、
森田氏が作画アニメ聖典を広め
 片山氏が技法を伝達し、
 新井氏が『いいねえ、いいねえ』と言ってたら作画アニメになった」
ってことですね!

まとめ

ま、「FREEDOM」のように活字にはならずとも、
アニメの爽快感を持ったCGの裏には
このような思想の継承が今日も脈々と行われているのだろうと。


エヴァQ予告映像の1カットも、きっと金田パースの思想
意識的であれ無意識的であれ、宿っているんじゃないかと思いますよ。


え?富野オチですか?
そんなの期待する人は死んじゃえばいいのよ!

エヴァQの内容をできるかぎりの信憑性で予測してみた


はい、今更ですが、金曜ロードショーにて
ヱヴァ新劇場版Qの新予告が放送されましたね!ヤッター!




少ない素材で祭り継続乙
とか非エヴァファンの方に言われてしまいそうですが気にしません。


しかしさすがのエヴァ信者のぼくも3カット15秒ぽっち
新映像を見せられたくらいではどうしようもないので
別の素材でがんばることにします。
これです。




コンテスト:パンヤで鷲づかみ:So-net blog様より転載)
「破」本編と旧Q予告(劇場・映像ソフト版)のウルトラマンネタ検証画像
旧Q予告って語呂がいいですねとか言ってるとブン殴られそうなので
さっそく本題に入ります。

特撮オタ歓喜


こんなにデカデカとウルトラサインなんかを入れられちゃったので、
ウルトラマンオタクの皆さんは
Mark6=ウルトラ兄弟6番目=ウルトラマンタロウか!とか
8号機の頭部はウルトラマンAに似てるとか
AネタがありならAキラーならぬエヴァキラーも出るだろ!
と発狂寸前です。それってお前だろ


151 :なまえないよぉ〜 2011/08/26(金) 23:20:01.82 id:vjnUX1Bh
エヴァとは、物凄く砕いて言うと、ウルトラマンのクローンを人間が作って、
 クローンの中の一部をくり抜いて機械埋め込んで人間が操縦出来るようにした物。
エヴァ破はウルトラマンA。
 Qで、初号機がシンジとレイの複座式になるのもAだから(シンジ=北斗、レイ=南)。
 ゴルゴダ基地からやってきたマリ(ゴルゴダの丘からやってきた聖母マリア)。
 ゴルゴダとは、聖書でキリストが磔にされた(ロンギヌス刺された)丘。
 光の巨人は左からカラータイマーに、点々ありがゾフィ、装飾なしが初代、二重丸が帰ってきた、額に丸がセブン。
 この4体が「ゴルゴダ星」で磔にされる第14話で、男と女が合体した神人であるエースは、
 そのコピーであるエースキラーと戦う羽目になる。
 ここで、エースは、4兄弟からエネルギーをもらって、スペースQという必殺技でエースキラーを倒す。
 ここでも「Q」がキーワード
 因みに、エースが変身した女の方は、実は月星人で終盤月に帰っていく。綾波がこの役目。
 MK.6は、ウルトラマンタロウ(6番目の兄弟)の事。
 タロウはウルトラ兄弟の中で唯一ウルトラの父(アダム)と母(リリス)の直系の子。
(後略)

そんなわけでぼくも一瞬
初号機の頭部にスペースQが集中する図」なんかを思い描いてしまいましたが
これまでの庵野カントクの傾向からすると、どうも
そういうことにはならないように思えるんですよね。



過去作から考える

トップをねらえ! Blu-ray Box Complete Edition (初回限定生産)ふしぎの海のナディア Blu-ray BOX【完全生産限定版】
トップをねらえ!は「トップガン+エースをねらえ」「庵野イデオン」、
ナディアに至っては「ヤマトのパクリ」というミもフタもないまとめ方が
されることもあります。
パッと見、庵野作品=パロディ、なのです。


では、「アニメで『ウルトラマン』をやりたい!」という
夕方6時枠の私的占有ともいうべき野望から始まったエヴァにおいて、
異星人との交流とか人類に正義はあるか?とか
巨人に頼らず最後は人類自身ががんばるのだとかいう
ウルトラ的ストーリーがあったでしょうか?


むしろ父子関係とか少年の存在価値とか人づきあいがこわいとか
オタクはみんな死ね
とかいうストーリーだったと思います。


つまり庵野作品は
パロディの権化でありつつも、
ストーリーの核についてはパロディではないわけです。




で、Qがどうなるか

そういうわけで、前出の検証画像からはストーリーの予測は立てられません。


じゃあ何を予測できるんだよって感じですが、
予測が立てられる部分もあるんですよ、ちゃんと!
わかニヤ要素バトルのアイデアの二つです。

「わかニヤ」


わかニヤ要素とは「わかる人ならニヤリとできる要素」の意です。
ヱヴァでは、ウルトラマン的なストーリー展開こそ少ないものの、
双子山カタパルトとかカラータイマーとか建造物ナメ視点
変形プリズ魔・ラミエル双子怪獣イスラフェルなど
「わかニヤ」レベルではガシガシウルトラマン要素を入れていました。


ですので「わかニヤ」レベルであれば先ほどの特撮オタの皆さんの妄想も
十分盛り込まれる可能性があります。
そこで、このような妄想の中からできるだけ実現しそうな内容をがんばって考えてみました。



  • エヴァMark6には強力な再生機能がある。
  • 4体のエヴァが磔で捕らわれて一堂に会す。
  • 何らかの展開で4体のエヴァの素体(光の巨人形態)があらわになり、

  その姿がウルトラ4兄弟をモチーフとしている。




一つ目はMark6=ウルトラマンタロウという説から考えてみました。
タロウの特徴というとスワローキックなんかも思い出されますが
Mark6が「タァーッ!」とかかけ声をかけるのはいくらなんでもないだろうということで、
「バラバラにされても再生できる」というウルトラ心臓の設定が
借りられるのではないでしょうか!?
タロウ並みにチートでも、真のエヴァたるMark6様なら許されるはず・・!


二つ目は、予告映像に4つのウルトラサインがあったことから、
ウルトラマンAにおける「ゴルゴダ」のエピソードが借りられるのではないかと思います。
ただ、これもストーリーのレベルまでは食い込まず、単に
「磔にされる4体のエヴァ」というビジュアル面にとどまるのでは。


三つ目は「破」本編にもあったウルトラ4兄弟ネタ。
「破」ではカラータイマー周りのデザインが
小ネタとして使われましたが、
Qで補完計画に相当する大イベントが描かれるとして、
旧劇場版のエヴァ量産機のようにエヴァが変形(変身)するシーンで
>頭部の形状が似てる??」くらいのレベルで出てくる可能性は高いと思います。

庵野的バトル

そしてバトルのアイデアですが、
庵野カントクの好きなバトル傾向として
バリア原理主義、時間制限、一点突破思想の三大要素があるので
ここからある程度予想がつきます。





バリア原理主義は、
すべてのバトルはバリアが破れるか否かで決着するということです。
トップのブラックホール爆弾、ナディアのNノーチラス、そしてエヴァTV版から破に至るまで
この主義は貫かれているので、Qでもバトルは破れる?破れない?な
バリア合戦になることは
ほぼ間違いないと思います。





次に時間制限。
内部電源、残り○秒!」とか「バリア限界まであと○秒!
というやつです。
ただしこの要素は縮小傾向で、破ではバトルの最初に
「時間制限つき」という大まかな描写はありつつも、
旧来のように残り時間をしつこく挿入する演出はありませんでした。


尺の都合かわかりませんが、残時間でなく、シンジ君のためにがんばる綾波の「表情」
のカットバックに重きを置いた破のように、
Qでも大まかな時間制限は設けつつ、「人物の想いが叶うか否か!?
という演出がされるのではないでしょうか。





最後に一点突破
「分厚いATフィールドをミサイルで突破!」というやつ。
これは破でも継続してたので有力だと思います。
「捨て身で直進して攻める」という意味では「一点直進
とも言えるかもしれません。


旧TV版だとカヲルvsシンジでキレる14才のカッター合戦してたのと
旧劇場版でアスカが量産機のコアを二体ぶち抜きでいかに潰すか?という
ギリギリの「一点突破」で魅せてくれたことを考慮して
お互いにコアの潰し合いで一点突破合戦」とか
お互いにキン○マ握ってるみたいな構図で面白いかもしれません。
もはや予測でもなんでもない件。



はい、というわけでエヴァQについてなるべく当たりそうな予測、
ということで語ってまいりました。
エヴァ信者の皆さんはこのように小出し情報で妄想を重ねる日々が
あと1年以上続くわけですね、楽しいですねハハハ
外れてもあんまり怒らないでください。
ブログ主は豆腐メンタルです。