アニメ作画かメシか

映画デジモンアドベンチャー02 ディアボロモンの逆襲
場面設定:山下高明
作監中沢一登 亀井幹太
原画:安藤正浩 金子秀一 山本径子 松田宗一郎
石崎寿夫 石川晋吾 本谷恵子 渡辺律子 橋本英樹
外崎春雄 伊藤秀喜 丸山隆 渡辺浩二 中山勝一
池田裕治 松島晃 津熊健徳 柿田英樹 都築裕佳子
石井祐美子 鈴木勤 松本淳 細工ひとし 高橋英樹
濱洲英喜 奥野浩行 松尾慎

まず一枚。
映画デジモン02より、オメガモンの爆撃を受けるアーマゲモン。

この最後の決戦シーンは柿田英樹氏の作品を集めたMADに入ってて、
すごいけど作品がわかんねー!と悶絶していたのですが
まさかデジモンとは。
凄まじいボリュームの爆炎や、オメガモンが水面を滑走して
巻き起こす水柱のスピード感など、巨大な物体が激突する
重々しさというかスペクタクル感というか、とにかく
久しぶりに「飯を食べながら見ようとしたら口をあけたまま
見入ってしまった*1」をやってしまいました。
その他、決戦シーンより。

  • アーマゲモンの攻撃でリアクションする噴煙も重要な役者

  • アーマゲモンの重々しさといい対照をなすオメガモンの身軽さ


デジモン映画1作目で感じられた特撮マインドも特徴的。
巨大なデジモンを周囲の物と対比させて映す思想は、
間違いなく怪獣映画のそれ。

  • 画像では見づらいですが周囲に鳥がいて、巨大感が出てます

  • 手前の屋根や奥の橋がいい感じにはまっててどう見ても怪獣映画


相当なロケハンの成果を感じさせる画面の詳細さも外せません。
画面の密度が全体的に高いのは、場面設定の山下氏の手腕もあるでしょうね。

  • 実際の景色を取り入れるのはアニメとしては先鋭的?


などなど、映像手法としては過去2作を通してビンビンに
尖ってます。
ただし、お話としては標準的と言わざるをえません。


某所で読んだのですが、本作までの「デジモン映画3部作」は、
平成ガメラ3部作に通ずるのではないかという話がありました。
映像はモノスゴイけど、お話は普通・・・というのは、まさにガメラ3。
ぼくらのウォーゲーム!」が、諸々のバランスが取れていて傑作、
というのも、ガメラ2に通じるような。
そして、それぞれの初作が、革新的な演出手法をひっさげて現れた
というのも、見事に対応する!・・・ような。
信憑性はともかく、両シリーズのファンとしては、非常に興味深い
と思わされる話なのでした。


○中編であることと、ストーリーがごく普通の少年モノということで、
視聴優先度は3といったところ。
怪獣映画が好き、スピーディーなアクション作画は
全部チェックしときたい、山下氏の場面設定が気になる、
中沢キャラ大好き、みたいな方は4でもいいかも。

*1:ナルトの岸本氏とか、なぜかアニメ作画界隈でよく聞くフレーズ