超人先生空をゆく
まったく興味のなかった「ウルトラマン80」
を見ることになった、そのきっかけはこの本。
僕たちの好きなウルトラマン―TV版『ウルトラマンシリーズ』完全解析 (別冊宝島 (714))
- 作者: 大場勝一,円谷プロダクション
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2002/12
- メディア: ムック
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「持ち上げすぎだろw」と思うくらいに作品を褒めますね。
作品への思い入れとか、矛盾への鋭いツッコミって
読んでて楽しいんですけど、話題が細かくなって
一部の人にしかわからない感じになっていくと、
楽しみつつも、その閉塞感に、うーん、と考えてしまう
ことも多々あります。
マニアにだけわかればいいじゃないか、マニアって
そういうものでしょ、と考える方もおられるでしょうが、
それじゃだめなんです!
ぼくは全人類が特オタになることを夢見ている人間ですから!(笑)
そもそも特撮オタクは基本的に子供向けとされてるものを
愛でるわけで、映画のように大人が見ることを前提とした
批評がやりにくいですよね。
ひととおり作品を評価したとして、その先に一般の人たちに
違和感なく見てもらえる、という展望がないんですもん。
そうすると、批評文を読むのは特オタだけなので、
オタが読んで面白い「この怪獣のデザインはイカレてる」
「かっこ悪いけどそれがいい」「製作者のゆがんだ情熱が見える」*1
というような思い入れに基づいたベタ褒め批評がどうしても多くなります。
勧善懲悪とか、破壊のカタルシスとか人間ドラマとか、
特撮にもドラマの一般要素はあるんですけど、
それらは子供向け番組という表層におおわれていて、
特オタじゃない人にはまったく見えないでしょうし。
そういうわけで懐古や思い入れなしでウルトラマンを人*2に勧める
なんて夢のまた夢な現状が確固としてあるわけですが、
そんな中で「ウルトラマン80」は一般の人が見ても
意外とイケるんじゃないか、と思ったんです。
前フリ長い。
「ウルトラマンなのに先生なのかよ(笑」というところ
から始まって、熱血教師ものになりきれず、いい感じに
気の抜けた学園パートと、円谷の本気が見える爆発と破壊、
怪獣をムーンサルトで蹴りまくるウルトラマンなど
大迫力の戦闘パートが共存する摩訶不思議な映像に、
ぼくは特撮普及への光明を見たのです。
・・徹夜明けの幻覚ですかね。
ウルトラマン80が怪獣にとび蹴りかますだけで笑えたしなあ。
まあとにかく、まだ路線変更前の「先生編」しか見ていないので
この話は序盤にかぎりますが、特撮を人に勧めるときには
「80」はなかなかいい入門テキストになると思ったわけです。