アンドロイドの運び方教えます
「ブラックマジック M-66 [DVD]」
作画監督:沖浦啓之
メカニック作画監督:吉田 徹
原画:林宏樹 田中正弘 宇都宮智 橋本浩一 清水義治
大平晋也
アニメアール
吉田徹 黄瀬和哉 浜川修二郎 谷口守泰 貴志夫美子
毛利和昭 柳沢まさひで 寺田浩之 逢坂浩司 沖浦啓之
アトリエ戯雅
宇佐美皓一 岩瀧智 ところともかず 小曽根正美 さとうけいいち
仲 盛文
WEBアニメスタイル_アニメの作画を語ろう
沖浦氏がインタビューで本作に言及しています。
このアニメ、子供のころにNHKの衛星放送で見た覚えが・・
すでに士郎作品にハマる素地はできていたということか?
NHKは夏休みだとか理由をつけては衛星放送でマニアックなアニメを放送してますが、
間違いなく将来のアニオタ養成に一役買ってますね。
本作では士郎氏が監督・脚本・絵コンテを担当しただけあって、原作のテイストは
かなり再現されてます。
作画的な見所は、沖浦氏のインタビューにもあるように、幹線道路での
M66と軍隊の戦いと、クライマックスのビル崩壊その他。
道路での戦いはM66の格闘が見所。
鉄パイプ?で棒術のように戦うシーンがかっこいい。
格闘シーンは非常に力はいってます。
M66を冷静に追い詰めていく軍隊の動きなど演出もナイス。
クライマックスの大平氏担当のカット。
煙や破片のボリュームがすごくて際立ってます。
沖浦氏個人の仕事ぶりを感じさせるカットは・・とくになし。
本作だと近年のリアル作画より、まだレイズナーの頃の作風に近いのかも*1。
軍隊の指揮官が死亡兵士の遺族への謝罪で悩むシーンがあるアニメってそうそうない。
上のシーンもそうですが、軍隊を戦闘のプロでありながら人間味もあるというように
海外ドラマ的に描く士郎テイスト*2がよく再現されてます。
まぁ本人参加だから当たり前ですかね・・
ところでおまけの商品紹介を見ながら思ったんですけど、本作や「ドミニオン」
「ガンドレス」など、80〜90年代に作られた士郎原作のアニメは
士郎漫画独特のハードな内容と共存する軽いノリ*3が盛り込まれてる
のに対して、95年の押井版「攻殻」以後、近年の士郎アニメはハードな面を前面に
打ち出しており、じつにくっきり分かれていて面白いです。
バブル期・バブル後ともいえようか?
バブル期には明るいアニメが多く、バブルがはじけてからは世の惨状に対応
するかのように*4暗い・・というか思索に富んだ?作品が増えたんだという話は
どこかで聞いたものですが、士郎作品というワクの中でも同じことが起こってる
のが面白い。原作者は同じはずなのに、売り出し方の違いでこうも変わるとは。
それともオシイと士郎の二つの才能が化学変化を起こした結果というべきか。