史上最大の長文(前編)

昨日、ドラえもん映画「新・魔界大冒険」が公開されましたが、初日にさっそく見てきました。
前作の恐竜2006も作画が素晴らしかったですが、今回もすごい!
教会跡での悪魔との最初の戦闘なんかサイコーでした。
カッチョイイ動きで十字を切って魔法の剣を形成する美代子や、
ドラえもんがひらりマントで悪魔の炎を跳ね返すところのタメ具合、
それと全体的に爆発のエフェクトが気合入ってますね。
終盤に惑星規模で起こる爆発の重厚さもよかった。
魔法の話ということで魔法のじゅうたんの動きにも力が入っていて、
ひねりの入った動きで駆け巡るじゅうたんやら、火花や火炎のエフェクトやら、
悪魔との空中戦の画面の密度はものすごい!なにやってるかわからないともいいますがw


作画について前作と比べてみると、前作ではキャラがぐにゃぐにゃと
活発に動いててコメディチックだったんですが、今回は抑え目になったように感じました。
絵柄はテレコム*1が関わっているせいか前作よりもさらにジブリ化が進んでました(笑)。


演出面でいうと、前作で感じた「表現の密度が高すぎるゆえのせわしなさ」を
今回も感じてしまいました。
面白いシーンや凝った演出が切れ目なくやってくるので、休む暇がないというか。
このせわしなさは、あっさりと流すべきシーンは流して、見せ場は凝って、
というふうにメリハリをつけてもらえると解消されるんではないかなぁ・・と
素人ながら考えてしまいます。
同じアニメの劇場作品でこういうことを感じたことはないのでやっぱり
前作からの新ドラえもんシリーズに特有の性質だと思われます。
ただ、子供たちはそんなことは感じてないんだろうなー・・とも思います。
子供にとっては、楽しいシーンや動きが次々現れるおもちゃ箱のような作品で、
純粋に楽しいものなんじゃないかなと。
劇場の子供たちの反応も、「ズコー!」とかのギャグのシーンで
ちゃんと笑っていましたし、全体的に良好だったように思います。
ただ我らがおトミ様が言ったように、「子供は子供だましの作品を
見抜くものだから、子供向けであろうとなめて作ってはいけない」
という考えもあるわけで、どこかで子供たちもこのせわしなさを感じてる
んじゃないでしょうか。
せわしないという印象に加えて、実際に展開も速いような・・
なんで時間が足りないんだろう。追加されたエピソードのせいか?
最後に大ボスと対決するシーンでも、あっさり決着がついてしまったように
思いました。一つ一つのシーンが短いのでピンチに陥った感が出ていなくて・・
そのせいでその後の勝利もあっさりな感じを受けてしまうような。


ちょっと話題は変わりますが、旧作版の「魔界」と変わらず、山場でタイムマシンネタ*2
があるんですが、これは子供にはちょっと難しかったようで、
聞こえた声からすると単なる回想シーンだと思われてしまったようです。
劇場に幼児が多かっただけかな・・?


批判めいたことも書きましたが、誰でも楽しめるアニメとして
丁寧に作られてると思います。
特に、やっぱりというか手書きの線を残した絵柄と動きが素晴らしく、
描かれた線を見ているだけでも楽しめます。
演出面は上に書いたような問題もありますがそれ以外は問題なく、
中盤での美代子とのび太のやり取り(旧作をご覧の方なら分かるはず)では涙ぐんでしまいました。
まあこれは戦闘シーンに主題歌のアレンジをかぶせるという鉄板手法が使われていた
せいですけど。弱いんですよねーこれに・・


それにしてもキャストのことを何も知らなかったのに次課長河本の声を見抜いた
ツレはすごい。やはりヤツは只者じゃない!


関連リンク:
・公式サイト http://dora-magic.com/cast/index.html
アニメスタイル WEBアニメスタイル_TOPICS
金子志津枝氏が「しずかちゃんアニメーター」って何なんでしょう(笑
氏の参加回だけ突出してるんでしょうか。

*1:テレコム・アニメーションフィルム

*2:過去の同じシーンを視点を変えて繰り返す