キルラキルでやってる少年マンガ的バトルはオリジナルアニメにおいて大変貴重!・・かも


今回はうまい冗談が思いつかないので
いきなり本題ですこんにちは。


キルラキルを見ていて、バトルシーンに
少年マンガ的戦法」がちょこちょこ出てくるなーと感じてます。


序盤のバトルが基本的にパワーでゴリ押しだったので、
やっぱりオリジナルアニメはバトル描写を練り込む余裕がないのかなー、
バトル解説役も必要だし解説させるにも尺がいるし、
2クール以上のボリュームがあるマンガ原作もののようにはいかないのかなー」

なんて半ばあきらめながら見てたのですが、
ところがぎっちょん、四天王との対決あたりからイカス描写が出てきています。


まあ、本作は(半ば?)公式に「男塾」や「炎の転校生」など
往年の少年マンガや名作アニメのオマージュ作品であると
明言されてますので、「少年マンガ的戦法」が出てくるのは
当たり前なのかもしれませんけど。

少年マンガ的戦法」の定義

「そもそも少年マンガ的戦法って何やねん」とお思いの皆様、ご説明します。


  
なんかえらくピンポイントなとこを選んでしまった気もしますが、
左が「ダイの大冒険」のアバンストラッシュクロスで、
右が「ジョジョの奇妙な冒険」第2部にて、主人公の策謀により、
片腕を吹っ飛ばされてしまって泣いてるエシディシさんです。


ジョジョのほうは最近アニメにもなりましたし、説明はいらないんじゃないかと。
気づかれずに作戦を進めていた主人公の頭脳プレーみたいな感じです。
「ダイ」のほうも、
他に最強必殺技(ギガストラッシュ)があるにもかかわらず、
状況に対してより有効と判断した地味なこの技をあえて使い、敵の弱点を突いて頭脳プレーで勝利したのが印象的です*1


まとめると「少年マンガ的戦法」とは、
パワーや物量でゴリ押しするのではなく、「知恵で勝つ*2みたいなことですかね*3


で、少年マンガ(あるいは青年マンガ)が原作のアニメだと
当然のことながら原作の時点ですでにこういう「知恵で勝つ」バトル描写が
たくさんあるので、アニメでも知恵勝ちバトルはたくさん見られます。


一方で、原作なしのオリジナルアニメだと、
こういう知恵バトルがあんまりないような気がするんですよね・・


・・すいません、完全な印象論です。
ソースもクソもない思いつきでひどすぎるので、書き直します。


キルラキルのバトルは基本1対1であり、知恵勝ち要素も
わかりやすく描写してくれるので少年マンガのように楽しめる


うん、これなら矛盾は少なく叩かれることもないでしょう。

具体例

さて、毎度の神経症的エクスキューズが済んだところで具体例です。



第2話、テニス部とのバトルにて。
手持ちの武器に現地で改造を施して戦うというのがちょっと少年マンガっぽく、
もっと言うと富野アニメっぽい(後述)。
まあこれは戦法というよりは殺人テニスという一連のお笑いネタの一部のような気もしますが。



第6話、猿投山との初戦にて。
主人公が自らのバトルスーツ(神衣)を裂き、その破片をまとわりつかせて
猿投山の視覚を封じ、バトルに勝ちます。


 
第9話、蒲郡とのバトル。
外からではあらゆる攻撃を吸収してしまう蒲郡のバトルスーツに対し、
「肉斬骨断」ってな感じで
あえて捕らわれて自らのバトルスーツを変形させ、内部から粉砕する主人公。



第10話は知恵バトル満載でした。
Aパートでは、光学迷彩を駆使する敵に対し、主人公は
「どこにいるんだかわからねえなら闘技場丸ごと吹っ飛ばす」
どっかの霊界探偵みたいなことを言いながら
巨大に変型させたバトルスーツで敵を粉砕します。


 
Bパートでは、空を飛びまわる敵に対して自分は飛行能力がないというピンチに
スクランダー・・じゃなくてまたしてもバトルスーツを変形させ、
スーツの繊維で作ったワイヤーとアンカーボルトを使って
敵を空から引きずりおろします*4



さらには、場外リングアウト負けになりそうになると、
その場でバトルスーツを飛行形態に進化させて切り抜けるムチャクチャぶり。
「戦いの中で成長している!!」が売りの少年マンガの主人公たちも真っ青です。


まあ、最後のは知恵バトルというよりは
「身近な人の死でパワーアップ」に類するご都合展開のような気もしますし*5
他のものも全てバトルスーツの恩恵
本人の努力や事前の備えがあるわけでもないので説得力としては薄い*6のですが、
奇抜な戦法を繰り出す根源となる反体制で一本気な精神力こそがこの主人公の強さと考えれば
まあオリジナルアニメならかなりイケてるほうではないかと。


さらに、これ以後もちょくちょく知恵勝ち要素が登場してます。

左が15話、中央が20話、右が21話です。
15話ではバトルスーツからの出血を目つぶしとして使ってました。
20話ではマントを敵にからませて捕まえてましたね(結局ヌイには効かなかったけど)。
21話ではサツキ様自らオトリとなり、敵をおびき寄せて叩く!
という戦法を披露してくれました。

で、富野アニメ

こういう
オリジナルアニメで知恵バトルを豊富にやってくれるアニメといえば、
そう、富野監督のロボットアニメです。


まーた富野信者の説伏が始まったかとお嘆きの皆さん、
後半でもうちょっと一般的な話にまとめますのでどうかお静まりください。


まあ要するに
「ブログ主が知ってる範囲で、
キルラキルみたく原作なしのオリジナルアニメで、
バトルに知恵や機転がたくさんあってイケてるアニメ」
というのが富野アニメだったってことなんですけど*7


富野アニメといっても色々ありますが、
選ぶのがめんどくさい・・じゃなくて
有名で分かりやすいものとして、1stガンダムを取り上げます。

ランバラル戦より。盾を目くらましにして上空から奇襲というのが
少年マンガライクな決め技でナイスです。

ランバラル残存部隊とのバトルより。
防御と攻撃を同時にやる!というのも実に少年マンガ

シャアズゴック戦より、盾ごしに敵を狙い撃つシーン。
これ以外にも盾を投げつけたりとか、盾持ちのガンダム
伝統的にナイスなバトルを見せてくれますね。


あと、富野アニメのバトルについては
他ブログでも書いてる方がおられました。
勇者ライディーン3クール目の富野コンテ後編 36話はエヴァとラーゼフォンの元ネタ - 旧玖足手帖-日記帳-

太陽を背にして、上空に居て見えない敵に向かってミサイルを撃って、太陽の中から撃ち返されるというのが富野っぽいなー。

投げた岩をライディーンと間違えた敵が撃って、その隙に移動したライディーンがミサイルを背後から撃つってのが躍動的ですよね。

特徴的な戦法を使って襲ってくる敵というのもそうですし、
石などで陽動をかけるというのも定番ながらよいバトルのスパイスです。


このようにいくつか例を上げてみると、これらの演出というのは
単に少年マンガ的というよりは、
戦闘シーンを含むエンタメ全般に宿命づけられている
「バトルをマンネリ化させないスパイスの引き出し」
と呼ぶべきなんだろうなーと思えてきます。
そのような引き出しの中で、とくに
主人公の機転や知恵をよりどころとするものを
少年マンガ的と呼ぶべきかもしれません。


キルラキル少年マンガ的な要素として
知恵バトル友情でパワーアップ!をやってくれてるので
あとはリュウコちゃんの「努力」を示す秘密特訓のパートとかあればなー、
というのが惜しまれるんですが、
やはり尺が足りないんでしょうかね・・ないものねだりでしょうか。

まとめ

さて、オリジナルアニメにおける
知恵バトルのよいところをまとめると、

オリジナルアニメの知恵バトルは、原作つきアニメに比べて
先の展開が読めない分スリリングであり、
また尺の都合や作劇上の制約(少年マンガによくいる解説役を置けるような作風でない等)
により、冗長な説明や描写をしない(できない)
ことで、生粋の少年マンガ戦法とはまた違った爽快感が楽しめる。

というような感じでしょうか。
文字と絵でバトルを描写できる少年マンガや、
長大な話数でバトルを描写できる少年マンガ原作のアニメと比べると
展開が急だったり内容が薄かったりするのは否めませんが、
上記のような魅力もあると思います。


そういうわけで、富野アニメをはじめとした
オリジナルアニメのバトルでいいのがあったら是非お知らせください。


今回はまさかの投げっぱなし他力本願ジャーマンでオチます。

*1:画像のシーンとは違うような気も・・曖昧ですいません。

*2:ジョジョの話題なんかで「頭脳バトル」と呼ばれることもありますが、頭脳だとインテリっぽすぎるので、バカっぽい主人公にも適用できる「知恵」がいいんじゃないかと・・

*3:少年マンガのお約束というと「友情でパワーアップ」とか「身近な人の死でパワーアップ」とかあるので語弊がありそうですが、今回はこの定義で。

*4:画像がないんですが、ワイヤーは猿投山との初戦でもすでに使ってましたね。

*5:代償としてのちに暴走してるのでご都合すぎるというほどではないですが。

*6:少年マンガでいう特訓パートでも筋トレや模擬戦闘など物理的なものはなく、鮮血との問答で心を整理して「吹っ切れる」という精神論メインなのがちょっと残念。

*7:あとはあき○ん先生が富野アニメはキャラの強さの序列がはっきりしてて少年マンガっぽいと言ってたこともあり。