ガルガンティアの手描き/CGの融合ってかなりすごかったけどスルーされてません?
いや、気のせいならいいです(弱気)
毎度ワンテンポ、ツーテンポ、
スリーテンポ遅れくらいでお送りする
第三野球部もびっくりの弱小ブログですこんにちは。
今更ガルガンティアの話題です。
ガルガンティアといえば中盤
イデオンもイデオンガンを忘れて逃げ出すほどの
グダグダじっくりとした展開を見せてくれましたが、
その鬱屈を晴らしてくれたのがアクション的にもストーリー的にも
激動の展開を見せてくれた12話でした。
原画陣はこんな感じ。
総作画監督:佐々木敦子
作画監督:中村悟 堀元宣
作画監督補佐:石塚健 森田史 永島明子 折井一雅 石橋翔祐 千羽由利子 村山章子
原画:三木達也 角田桂一 宮崎瞳 玉城史郎 丹羽信礼 高橋靖子
万年麻美 長谷川和世 手塚麻美 倉原昌宏 ねこたまや 福井麻記
白井順 原山智 吉田徹 古川尚哉 新野量太 亀田祥倫
荒木涼 UEC
ブログ主はエセ作画オタなので深入りは避けますが、
金田系作画の新鋭である亀田祥倫氏が参加されており、
ネット上でもヤマ場の戦闘シーンを担当されたのではないか?
と話題になってました。
で、たんに金田系作画が炸裂したというだけならば*1
「たまんね」とか作画オタっぽいことをつぶやきながら
ぼーっと見ていればいいんでしょうけど、
ちょっと気になることがありまして。
何かといえば「作画部分と3DCG部分の融合が素晴らしい」
ってことなんですよ。
融合どころか、完全なる一体化といってもいいレベルに到達しているような。
この回ではビーム攻撃の応酬が続き、
3DCGのメカに手描きのエフェクトが重なるカットがかなり多いです。
まあ、完成品なんだから当たり前なんですけど
3DCGと手描きエフェクトの相互配置が完璧で、
まさに一体となって動いてます。
反動でメカが後ろに大きく後退するタイミングも完璧
3DCG自体もしっかり手描き風のタイミングで動く。指示用の原画があるのかな?
超ド級の怠け者のブログ主ですので
こういう手描きエフェクト+3DCGのアニメはあまり見たことがなかったんですが、
少し前だとFate/zeroのバーサーカーがかなり話題になってたみたいですね。
あと、金田系というか大張系というか、
フラッシュ的なエフェクトも目立ってました。
で、ここでも同じ話になるんですけど、
これらの伝統的な手描き作画のエフェクトが3DCGに重なって
活用されてることがエポックメイキング*2であることはもちろんですが、
何よりその前後の3DCGとほぼ完全に一体化していることが驚くべきところだと思うんですよね。
上に挙げたエフェクトでいうと、一番左はかなり省略されたものですので
極端なことを言うと当てずっぽでも挿入できそうですが、
中央と右のカットは前後のメカの動きと連動してるので、
原画マンさんがメカを含めて全て原画を描いたのち、
3DCGを原画の通りに配置するとか、少なくとも
原画マンさんと3DCGアニメーターさんが相当な打ち合わせをしないと作れない
のではないでしょうか?
3DCG部門と手描き部門の緊密な連携があったことの根拠はもういっこあって、
それは「メカが3DCGなのにちゃんと金田ポーズしてて笑える」
ってことです。
この回は全体的に遠目でのシーンが多かったのが残念ですが、
手足をピンと伸ばしてアクションするストライカーが笑えます。
ビームを避けるチェインバーのカットでは、3DCGにも関わらず
金田作画のような中抜き感があり、見ようによっては
短距離ワープしてるみたいで笑えますが、一連の流れで見ればかっこいい動きになってます。
これはやはり、原画でメカの動きがすべて指示されていて、
その金田テイストを3DCGアニメータさんが完璧に再現したとしか思えないのですが。
情報がないのでなんとも言えませんが。
とりあえず、まとめの前に、手描きと3DCGの融合の話題で、こんな記事を。
https://www.facebook.com/permalink.php?id=459913164060021&story_fbid=597708533575915
この映像で用いられているのは
3DCGのアニメに2Dのドローイングを重ねるという新技術だそうです。
3DCGでモデルを作り、アニメーション作成。作られたアニメーション映像を
液晶モニターに映し出し、今度は2Dアニメーターがその上に直接、輪郭線等を
描き込むという手の混んだ技法。
手描きとCGを融合させつつ、かっこいい・かわいい・美しい映像を
作ろうという動きは今まさに盛り上がってる感じですね。
ぼくは技術的なことはサッパリですが、
上に挙げたディズニーの例は、CGくささを感じさせないために
2D/3Dの親和度を上げるという
絵柄面の配慮であり、
今回のガルガンティアでの親和度は
2Dと3Dの動作タイミングを完璧にシンクロさせて、
一連の流れをアニメ本来の動きの快感として感じられる方向で
底上げされており、
動き面の配慮といえるんではないかと。*3
どちらの技術も大切とは思いますが、
ぼくは何より単なる技術の進歩だけでなく、
2D・3Dが連携してすごいもん作ろうぜ!という
スタッフさんの気概を画面に感じて楽しくなったのでした。
まあスタッフさんのくだりは腐女子の皆さんも真っ青の
スーパー妄想なんですけど。
おまけ(追記)
さらに妄想を上塗りしますが、
この記事で取り上げたような2D/3Dの融合技術って、
なんか素晴らしい新技術が導入されたというよりは、
2D/3Dが融合してるように見せるための
ごまかし方とかちょろまかし方が既存技術の範囲で発見され始めた
んじゃないかなーなんて思ったんですよね。ほら、アニメの発祥からして錯視なわけですし。
で、この話は根拠も一応ありまして、それが以下の数カットであります。
古めのネタで申し訳ないんですが、ガンダムユニコーン第1話の変型(変身)シーン。
全身のフレームが稼動するカットや、サーベルラックが動く背中のカットまでは
明らかに3DCGが使われているとわかります。
で、ブログ主の腐った目では見分けられないのですが
角を展開したガンダムの顔のアップか、もしくはカメラが引いていく
(ガンダムが小さくなっていく)途中のあたりに
3DCGと手描き作画が切り替わる瞬間があるんですよね*4。
そして、カメラが完全に引き終わり、ビームサーベルが抜かれたあたりでは、
サーベルのエフェクトや右腕のブラーっぽい描きこみ、全体的な線の引き方からして
(たぶん)手描き作画なんだろうなーとわかります。
このカット、実に上手にごまかしてるなーって感じですよね(上記の分析が当たっているとすれば)。
ボケーッと見てれば、どこが2D/3Dの境い目か、なんてことは感じずに
3DCGでプロポーション完璧な上にサーベルの抜き方は2D的ケレン味があってすごいなーと
素直に感動することができるわけです。
けっきょく2D/3Dの融合とかいうお題目は
大層な合成技術とかそういうのじゃなくて、
このような手際のよいごまかし方、ちょろまかし方で
素人の知らない間に解決されていくんじゃないかなーと。
もちろん、その作業には膨大な労力がかかるわけで
「ごまかし」という表現は適切ではないかもしれませんが、
大奇術もタネを明かしてみれば「な〜んだ」と言いたくなるように
意外と裏方で行われていることは原始的なのかな〜という妄想が
面白かったので書いてみました。(追記おわり)